こんにちは、アーチビブログです。
走行中の車から外れたタイヤが4歳児に当たり意識不明の重体となっている痛ましい事故のニュースがありました。
ニュース映像には左前輪が外れた「スズキ ジムニー」が映っていました。
(ニュース映像より)
リフトアップとオーバーフェンダーから、ひと目で改造車と分かりますが、これは違法改造車になるのでしょうか?
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目次
1、ジムニーの改造について
悪路走破性が非常に高いジムニーでのオフロード走行会などへの参加者は多く、リフトアップなどの改造も人気で保安基準適合のカスタムパーツも多く販売されています。
(1)リフトアップは車検に通るのか?
長めのコイルスプリング(バネ)やショックアブソーバー(ダンパー)を装着してのリフトアップが一般的だと思いますが、バネやダンパーは国土交通省が定める指定部品なので基本的に車検に通ります。
安全の確保、公害防止上支障がない部品で、スポイラー、ルーフラック、スプリング、アブソーバーなどが指定部品になります。
要は、バネやダンパーは長さが変わっても最初から装着されているパーツと構造が同じなので改造ではないという解釈で、タイヤを大径に変更しても同じ扱いです。。
上げ過ぎるとどうなるかは分かりませんけどね。
(2)オーバーフェンダーは車検に通るのか?
オーバーフェンダーも指定部品扱いなのですが、これはボルト、ビス、両面テープで固定した場合であり、溶接やリベット止めをしてしまうと指定外部品となるので注意が必要です。
ただし、指定部品には広げられる幅に規定があり軽自動車の場合は20mmまでとされています。
また、軽自動車の規格は全幅1480mm以内なので、オーバーフェンダーを装着して車幅がオーバーしてしまうと改造申請が必要になります。
車幅オーバーで改造申請すると車幅が乗用車枠に変わるので、排気量が660cc未満であってもボディ寸法の関係で乗用車の白ナンバーに変わります。
2、事故車両は違法改造なのか?
今回の事故車両は「JB23型」なので車両の全幅は「1475mm」です。
これに軽自動車枠内でオーバーフェンダーを取り付けられる幅は5mm(片側2.5mm)しか余裕が無いということになります。
ニュース画像を見ると、厚めのワイドトレッドスペーサーが取り付けられているようなので、2.5mm以上の幅のオーバーフェンダーではないかと思われます。
(ニュース映像より)
軽自動車枠を超えた車幅で、改造申請をせずに黄色ナンバーであることを含め、事故車両は違法改造車の可能性が高いです。
(ニュース映像より)
3、違法改造車で事故を起こしたら保険はどうなる?
違法改造車(車検に通らない車)で事故を起こした場合、任意保険の車両保険に入っていたとしても車両修理に関する保険は適用外になります。
ですが、被害者に罪はないので被害者の治療費などは、自賠責保険と任意保険の対人賠償が適用対象となります。
4、車検では違法パーツを外すという逃げ道
1995年に道路運送車両法の規制緩和があり、その後のカスタムはかなり寛容になりましたが、それ以前はハンドル一つにしても純正品と違うものがあれば車検に通らなかったんですよね。
私も以前「ダイハツ ミラジーノ」の車高を変えてオーバーフェンダーを装着し、フェンダーに合わせてワイドトレッドスペーサーを咬ませていたことがあります。
ミラジーノの車幅はジムニーと同じ1475mmですが、このオーバーフェンダーはギリギリ指定部品内の幅で、ワイドトレッドスペーサーを外せば車検に通りました。
たぶん、今回のジムニーも車検時には違法パーツを外していたと想像できますし、そういう簡単なカスタム車に乗っている人は少なくないと思いますし、気持ちも分からなくはないです。
ですが、摘発されるのは事故を起こした時だけではないので、堂々と乗れる範囲のカスタムをすべきなのは言うまでもありません。
5、まとめ
過失運転致傷で逮捕された容疑者は整備経験者で、自身や知人の車両をカスタムすることがあり、今回も修理依頼を受けた知人車両での事故ということです。
「ハンドルのブレを感じて違和感を覚えた」と供述しているそうですが、事故前に左フロントタイヤ付近をチェックしている映像も公開されているので、整備経験者ならば何故この時点で気付かなかったのか?
ホイールの留め具が外れていた可能性があると報道されましたが、足回りに重点を置いた改造車なんだから、下の画像の時にホイールナットもチェックして欲しかった。
と、今更ながらに思いました。
(ニューズ映像より)
私も可愛い孫がいる身なので、小さなお子さんが重体と聞くと非常に胸が痛みます。
一日も早い回復をお祈りいたします。
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