こんにちは、毎度でありますが、田舎でバイクなんぞに乗っておりますと、草刈り機などの修理を頼まれるアーチビブログの あーさん です。
今回の修理は、「共立 KIORITZ CS-302」というチェンソーです。
亡くなられたお父様の愛用品で長い間倉庫に放置されていたものを、息子さんが使ってみたいので、動くかどうかを見て欲しいという依頼内容です。
父の遺品を息子が使うというシチュエーションですからね、私、こういう事情に弱いので、是非動くようにしてあげたいです。
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目次
1、エンジン始動を試みる
燃料タンクを覗いてみると、タンク底に少量のガソリンが残っております。
何年間の放置か分かりませんが、ガソリンを使い切っての保管と、使い切らないでの保管は、ゴム類の劣化が全く違うので少し心配です。
使い切っての保管がベストです☆
で、エンジン始動を試みましたが、プスンッ!とも言いませんでした!(苦笑)
では、順序を追って直して行きましょう。
2、チェーンの状態
チェーンストッパーが付いていないタイプなのに、チェーンが全く回転しません!
スターターロープは引けるのでエンジンの焼き付きではないことは分かりますが、エンジンが動いてもチェーンが回らないでは意味がないので、まずはここから見て行きましょう。
(1)チェーンの固着
下画像の⇩部分、チョークで印をつけておりますが、チェーンが錆びついて、継ぎ目が固着し曲がらないので、スプロケット(本体側のギア)に引っかかって止まる症状です。
チェーンに防錆潤滑剤「KURE CRC 5-56」を吹き付け、なんとか固着を解消しました。
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(2)張り調整ボルトの歪み
チェーンの張りを調整するボルトがくの字に曲がってガイドバー(チェーンを装着する金属プレート)に干渉してピッタリ収まらず、チェーンのドライブリンク(溝側の足)の送りが窮屈になっているのも回らない原因だと思います。
これは、外してハンマーなどで叩くとネジ山を痛めるので、調整用のピン(突起物)を曲がったネジの山の位置に持ってきて、ハンマーでコンコンと叩きながら真っ直ぐの位置に調整しました。
何度も繰り返す地道な作業です!
修正後、ガイドバーとチェーンを装着すると回転するようになったので、次はエンジンに取り掛かります。
3、プラグの状態をチェック
プラグを外し、プラグキャップに装着し、スイッチを「ON」にして、プラグを金属部分に接触させてからスターターロープを引き、スパーク(火花が出るか)を確認します。
下の画像は、エンジンシリンダーに接触させたドライバーにプラグを接触させて、プラグと本体の通電を確認している状況です。
スターターロープを引くと火花がバッチリ出たので、電気関係は大丈夫と分かりました☆
プラグも交換の必要はないと思います。
4、燃料をチェック
プラグの先端が濡れていないのでシリンダーまで燃料が届いていないことが分かります。
燃料フィルターをチェックしたところ、ガチガチに固まっていました。
ガソリンが染み込んで問題ないように感じますが、芯の金属が劣化しているので、新しいフィルターに交換しました。
悪い事ばかりではなく、燃料ホースのゴムは弾力があってシッカリしているので、他のゴム類も大丈夫そうだと少し安心しました。
次に、古い燃料は全て抜き取り、新しい混合ガソリンを給油しました。
5、エアフィルターをチェック
エアフィルターを外し、キャブレター周囲の汚れをエアコンプレッサーで吹き飛ばして掃除しました。
見えない箇所は別にして、見えるところは汚れが少ないので、基本的に大事に扱っておられたことが分かります。
6、再度エンジン始動を試みる
チェーンを装着して、再度エンジン始動を試みると、エンジンが始動し、最初はグズグズしていましたが、やがて良い感じで回り始めました♪
キャブレター内の古い燃料が尽きて、新しい燃料に変わったら一気に好調になったということですね☆
7、チェーンオイルが出ない
エンジンは好調になりましたが、チェーンオイルが全く出ていません。
チェーンオイルはチェーンの潤滑と冷却を兼ねているので、これが出ないと、ガイドバーやチェーンが熱を帯び、最悪の場合チェーンが切れて怪我に繋がるので非常に重要です。
(1)ダイヤル調整
チェーンオイルタンクは満タンですが、オイル調整ダイヤルを回してみても全く出ないので、これは、お父様が使っておられた頃から出ていない可能性があります。
だからチェーンが錆びついていたのだと思います。
(2)オイルポンプを探す
オイル調整ダイヤルが付いたタイプの修理は初めてなので、オイルポンプが何処にあるのかを探ってみることにしました。
プラグを抜き、ピストンストッパーを止まる位置までねじ込みます。
ピストンストッパーは、文字通り、ピストンの上に突っ込んでピストンの動きを止めることで、クラッチなどを外しやすくする治具であります。
余程のDIY好きでないと一般的には必要ないですよね。
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(3)オイルポンプを掃除
切り屑なども写り汚い画像でごめんなさい。
(4)オイルタンク内の簡易洗浄
8、目立て
(スチールチェンソーより引用)
9、まとめ
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コメント
教えてください。同じCS-302を2台持っていて、20年近く動かしていなかった物を再起動させようとしています。
燃料ホースがタンク内で解けて、ドロドロになり、フィルターも中で転がっていました。フィルターは一般的な物をホームセンターで買えばいいと思っていますが、ホースの長さがわかりません。オイルフィルター(4センチくらいの棒)も出てきて、これはどうやって取り付けるのだろうか、フィルターも売っているのだろうか。ホースの長さは。。と悩んでいます。また、燃料混合比もわかりません。
燃料タンクやオイルタンクって、分解できるのでしょうか? よかったら教えてください。
太田さん、初めまして
質問をありがとうございます。
私もプロではなく、現物を見て触ってから自分に修理可能かどうかを判断しておりまして、CS-302については、私のブログに挙げている物だけしか触った事がありません。
なので、ガッカリさせて申し訳ありませんが、完璧な返答は出来かねます。
そんな中、少ない脳みそで少し考えてみました。
まず、1970年代の機種なので専用部品は無いと思いますが、古い機種ほど分解可能だったりします。
たぶんですが、燃料ホースがドロドロということは、キャブ内のゴム系(メイン&ポンプダイヤフラム)もダメだろうし、キャブ洗浄も必要かもしれません。
燃料ホースについては、外枠を開いてみないとタンクからキャブへの繋がり具合も分からないわけで、太田さんが仰る通り、燃料タンクとオイルタンクまで辿り着けば、おおよその長さも分かり、そこでやっと修理可能かどうか?の判断ができるという感じですね。
では、そこまで分解可能かどうか?については、一番はスキルであり、もしかしたら専用工具が必要かもしれません。
2台お持ちとのことなので、1台を遊び気分で分解を試みればスキルは上がりますし、それぞれの使える部品を1台に集約する方法もあるかもしれませんね。
燃料の混合比については、ホームセンターの草刈り機やチェンソーコーナー等に売っている2サイクル用混合ガソリンに 25:1~50:1 まで対応しているものがあるので、それが問題なく使えます。
頼りない返答しかできず心苦しいですが、再起動成功をお祈りしております。