あおり運転厳罰化へ 免許取り消しもあり

社会問題となっている「あおり運転」の対策として、悪質で危険な運転には「免許取り消し」ができるよう、警察庁が制度を改正する方向で検討しているそうで、年明けの通常国会に関連法案を提出する見通しとのことですね。

現行では悪質で危険な運転でも事故を起こして危険運転致死傷容疑などで摘発されない限り、違反の累積がない運転者は免許取り消しにはならず、関連法改正による罰則強化を求める声が上がっているとのこと。

あおり運転を巡っては、車間距離を詰め過ぎる道交法の車間距離保持義務違反の昨年1年間の摘発が前年比倍増の1万3025件(うち高速道路上:1万1793件)に上ったそうです。

 

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1、現行の「あおり運転」罰則(2019年現在)

では、2019年現在の罰則はどうなのかを表にしてみました。

運転態様 違反の種別 違反点数等(普通車)
前方の自動車に激しく接近し、もっと速く走るよう挑発する 車間距離不保持違反 一般道:1点
反則金:6,000円
5万円以下の罰金
高速自動車国道等:2点
反則金:9,000円
3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
危険防止を理由としない不必要なブレーキをかける 急ブレーキ禁止違反 2点
反則金:7,000円
3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
後方から進行してくる車両等が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような進路妨害を行う 進路変更禁止違反 1点
反則金:6,000円
 
左側から追い越す 追越の方法違反 2点
反則金:9,000円
3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
夜間、他の車両の交通を妨げる目的でハイビームを継続する 減光等義務違反 1点
反則金:6,000円
執拗にクラクションを鳴らす 警音器使用制限違反 なし
反則金:3,000円
車体をきわめて接近させる幅寄せを行う 安全運転義務違反 2点
反則金:9,000円
3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
初心運転者等保護義務違反 1点
反則金:6,000円

確かに、現行の道路交通法では免許取り消しどころか、免許停止にもなりませんね。
う~ん!

過去に報道された悪質なケースは、上記の違反が複数組み合わされて免許停止になるケースがあるかもしれませんが、免許取り消しまでには至らないです。

先日、話題になったような「あおり運転暴行」のケースは、交通違反の点数の累積がなくても、運転により交通の危険を著しく生じさせる恐れがある「危険性帯有者(きけんせいたいゆうしゃ)」として、最長180日間の免許停止にできる規定はあるようです。

2、検討中の改正案

改正案は、前述の危険性帯有者に関する処分の基準を改正して適応する案や、道交法で「あおり運転」に関する新たな罰則を設けるなどして点数制度により適応する案が考えられていて、取り消し後に再取得が可能になるまでの「欠格期間」も検討中なのだそうです。

欠格期間については、現行では、速度超過など一般的な違反による取り消しは15年、酒酔いや危険運転致死傷など特定の違反は310年と規定されています。

3、改正の切っ掛け

道交法改正には切っ掛けになる事件がありますよね。

2017年に神奈川県の東名高速道路で、無理やり停止させられた車の夫婦にトラックが追突し死亡した事故で問題化し、警察の取締りも厳しくなったにもかかわらす、今年8月の常磐自動車道で「あおり運転殴打事件」、9月の東名高速で「あおり運転エアガン発射事件」などが続いて発生し厳罰化への引き金になったようですね。

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4、難しい問題もあるのでは・・・

本日のことですが、私の前を走行していたマツダの車は、前が空くとフル加速をし、前が詰まると超接近を繰り返しておられました。

でも、少々乱暴ではあるけれど悪質には見えませんでした。

前走車が法定速度より10km/h 程度遅いスピードで走行していた場合、ついつい近づいてしまう事もあると思うんですよね。

「何をもって『あおり運転』と認定する」というのも難しい問題だと思います。

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私、上記の表を作成しながら、「あちゃ~!」と思ったのですが、「左から追い越す」という違反は違反点数2点と、反則金9,000円なんですよね。

過去に「あおり運転 あおられるタイプ」というブログを書いたのですが、ものすごく遅い車が追い越し車線に居座っている場合、左から抜いちゃう事がない事はないんですよねぇ~!


自動車の歴史は長いのに、今になって「あおり運転」がクローズアップされるのは、ドライブレコーダーの普及により証拠提出が可能になったからなので、「いつも誰かに見られている」と思って運転せねばなりませんね!

合わせて読みたい「スマホ『ながら運転』厳罰化」のページもご用意しております。

注意が必要な頭に叩き込んでおきたい言葉は

「あおりは一発免取あり!」
「スマホは一発免停あり!」

です。

それではまたっ♪

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