「モペットでひき逃げ容疑の男を逮捕」というニュースがありました。
容疑者はモペットを運転中に、歩いて横断していた50代男性をはねて右足首骨折の重傷を負わせながら、そのまま逃げた疑いがあり、原付バイクの免許は持っていたが、ヘルメットはかぶっておらず、モペットにはナンバートやブレーキランプが未装着で、「警察にいろいろ調べられるのが怖くて逃げた」と供述しているとのこと。
ひき逃げ車両(WEB NEWSより)
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1、モペットは日本の造語
私の認識で「モペット」というのは、『原動機(エンジンやモーター)が付いた自転車』とか『ペダルでこげるオートバイ』なのですが、近年は『電動アシスト付き自転車』という便利な自転車があり、実際、事故車両は電動アシスト付き自転車にしか見えず、「じゃあ、電動アシスト付き自転車とモペットの違いは?」と、単純な疑問が生まれるわけです。
もしかして、私だけの疑問?
私の父親は、「ホンダ スーパーカブ」などのビジネスバイクも「モペット」と呼んでいましたので、私の知識整理の為にも調べてみました。
外国では小排気量のオートバイ全般を「moped(モペッド)」と呼んでいるようですが、本来ならば「原動機が付いた自転車」「ペダルでこげる自転車」というのが「モペッド」です。
日本では、1950年代に原動機付自転車の主流がペダルの無いモノに移行し、「モペッド」から濁音を除いた「モペット」という造語がスーパーカブに代表されるビジネスバイクにも流用されたということです。
なので、「モペット」は日本特有の呼び方で父親は間違ってなかったですね。
良かったね!おやじっ!
確かに、初期の「ホンダ A型」などは、「自転車にエンジンを付けてみたよ!」って感じですが、「リトルホンダP25」はペダルが付いたスーパーカブって感じです。
現在でも日本の「原付バイク」の本来の名称は「原動機付自転車」なので、父親の世代が総称で「モペット」と呼んでいた時代の方が「グローバルな視点で名付けていた。」ということですよね。(笑)
という訳で、今回は日本式の「モペット」という濁点が付かない名称を使います。
2、モペットとアシスト付き自転車の違い
日本の法律での「モペット」と「アシスト付き自転車」との違いは、「ペダルをこがなくてもアシストするモーターやエンジンだけで走行できるかどうか?」の違いです。
モペット登場初期は、軽車両扱いで免許不要でしたが、1960年の道路交通法施工以降は16歳以上を対象とした免許制になったそうです。
ヨーロッパでも近年まで許可制または車両登録のみで運転でき、運転免許が必要ない国が多かったのですが、2013年より、全てのEU加盟国で、設計上の最高速度が25km/h超45km/h以下のオートバイの運転には運転免許が必要になったとのことです。
日本の場合は、時速〇〇km以上で走行できる車両というよりも、ハンドルのグリップ(スロットル)をひねるだけで走行できる車両と考えた方がいいですね。
というのは、次の使用義務欄で説明しておりますが、最高速度が時速20km未満の車両には必要ない装備もあるけれど、時速20kmというのは人が懸命に走る速度と同程度なので、現代のモペット用モーターやエンジンならば、その程度の速度には達するであろう事と、20km/hの速度が出なくても、ナンバープレートやバックミラーの装着は義務付けられているからです。
「電動(もしくはエンジン)アシスト付き自転車」については、人がペダルを踏むチカラを助ける程度のパワーしかなく、モーターやエンジンだけのチカラでは駆動できないのが「アシスト付き」という解釈でいいと思います。
3、モペットを公道で使用する場合の義務
モペットの所有者が公道で使用する場合の義務ですが、国土交通省が定める道路運送車両の車両保安基準に基づき、以下の部品を装備しなければなりません。
ヘッドライト
クラクション
後部反射器(赤色)
ナンバープレート
バックミラー
スピードメーター
テールランプ
ブレーキランプ
ウインカー
このうち、スピードメーター・テールランプ・ブレーキランプ・ウインカーについては、構造により平地での最高速度が20km/h未満となる車両については義務とはなりません。
ただし、道路交通法により、ウインカーやブレーキランプを装備していない車両であっても、手信号で合図を行うことが義務付けらています。
また、エンジンを始動せずペダルだけでこいで運転する場合でも原動機付自転車としてヘルメットの着用が義務付けられています。
4、まとめ
大阪のモペットひき逃げ事故の容疑者は、自分の所有車両がナンバープレートやバックミラーを装備しヘルメットを装着して運転しなければならない車両と分かっていて、それをしなかった上で事故を起こして逃げた悪質なケースということになります。
当然ですが保険にも入っていないわけで、被害者の治療費や示談金は全て実費となります。
バイクより自転車の方が身軽に使用できるのは分かりますし、容疑者の出勤には自転車の方が便利だったのかもしれませんが、「違法と分かっていてやっちゃ~いけねえよ!」ということですよね。
もしかしたら、知らないで使用しているケースもあるかもしれないので、「自分の電動自転車はモペットかもしれない?」と思う方は早急に調べてくださいね。
ペダルをこがずに動けばモペットです!
普通の自転車でも、事故を起こせば損害賠償が1億円を超えるケースがある時代。
自転車保険のページも作成しております。
自転車事故でも賠償金は自動車事故並に発生します。
自転車保険の料金は非常に安いので毎日乗る方は入っておくべきだと思います。
それではまたっ♪
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