こんにちは あーさん(私)と、ちびさん(妻)の、二人合わせてアーチビブログです。
少々重たいお話になりますが、あーさんは、小さな町工場を経営し身体が三体欲しいと思う時があったほど、日々多忙に暮らしておりました。
そんなある日、父親が病気入院し、家族の為に何を優先するべきかの選択を迫られました。
Sponsored Link
1、父親に突然の癌宣告
父親は、病院に行くという選択肢を持たない性格で、少々の痛みは我慢で乗り切る昭和初期生まれの頑固者です。
そんな父親が、「息が出来ない」と訴えて緊急入院となった原因は「肺気腫」という病気。
肺気腫とは肺の組織が壊れる病気で、長年の喫煙が原因です。
数十年も病院に行った事がない父親が入院を機に様々な検査を受けると、肺に小さな小さな癌が見つかりました。
70代後半の年齢でしたので、「手術をしてもしなくても寿命は同じ程度なので、どうするかは本人の判断に任せる。」というのが病院の見解で、本人の判断は「手術をしない。」でした。
2、田舎暮らしのデメリット
肺気腫で一度壊れた組織は元には戻らないのですが、入院で正常に呼吸が出来るまで回復し退院となり、病院通いで癌との闘病生活が始まりました。
田舎暮らしのデメリットになりますが、設備が整った病院まで行くには絶対にクルマが必要で病気の本人に運転させるわけにはいかず、公共交通機関の本数が少ないので、誰かの送り迎えが必要になります。
毎日懸命に働いていた私には、ズ~~ンと気持ちが滅入りそうになる問題でした。(涙)
でもね!
考え方を変えました。
今回は親父だけど、例えば、母親、妻、子供の場合でも答えは一つだと、「親父優先で仕事をセーブする道」を選びました。
3、父の闘病生活
小さな町工場の仕事をセーブするという事は、契約先との契約解除を意味します。
かと言って、今日から止めますという訳にはいかず、仕事の引継ぎに追われて、父親に会いに行けたのは入院から一か月後でした。
それから約2年間は、父親の体調を伺いながら仕事をこなす平穏な日々を送っておりましたが体調が急変します。
癌自体は少しだけ大きくなった程度でしたが、神経に触る場所であったらしく酷い痛みが発生し緊急入院です。
抗がん剤での治療が始まりましたが痛みは取れなくて、最終的には痛みを抑えるモルヒネも使用され数日間は意識が飛び、そういう薬は最終選択の薬だと思っていたので、意識が戻り元気になっていく姿には驚きました。
少し元気になると、病院から自宅に近い病院に移る提案をされます。
元気になったからの提案というよりも、「少しでも自宅に近いところで過ごさせてあげてください。」という、人生の最後を迎える時の提案です。
近くの病院に移ってからは、仕事の合間を見ては顔を見に行けましたが、1ヵ月持たずに、自宅に帰ることなく他界する事となりました。
4、息を引き取った後の処理
その時の教訓になった事を書いておきます。
亡くなると、病院は直ぐに退去を求めてきます。
自分のクルマで連れ帰ることもできますが、大概の場合は葬儀屋へ連絡し、自宅か葬儀会館への移動となります。
こればかりは前もってできない事なので、葬儀屋への連絡だけでなく、お寺へ連絡し戒名の依頼や葬儀日の手配、お布施の相場調べ、役所への連絡など、葬儀が終わるまでは慌ただしく時間が過ぎます。
また、入院費・治療費・葬儀費など、物入りになりますが、本人名義の銀行口座は凍結されるので、お金の手配も重要です。
(2019年7月1日から、民法改正により一定金額は引き出し可能となります。)
色々と大変ではありましたが、最後まで一緒に過ごせて、葬儀や法事、お墓の建立までじっくりと向き合えて、「親父優先」という私の選択は間違っていなかったと思っております。
5、お墓の建立
お墓についての教訓になった事も少し触れておきますが、わが家は父親が初代で、墓地だけは購入しており土地探しの苦労はなかったです。
生前に一度だけ、「お墓は必要か?」と問いかけた事があります。
と言うのは、孫の代になればお墓のお守りをするかどうかも分からないから、「最近は散骨をして墓を建てない人も増えた」と聞いたからです。
父の答えは「必要」(母の答えも同じ)でしたので、6社から見積もりを取りました。
場違いの話になるかもしれませんが、クルマの買い替えと同じで、競合により値引き額はかなり変わります。また、土の上に建てる方法とシッカリした基礎の上に建てる方法など、業者により工法の違いがあるので、お考えの方はジックリと検討する事をお薦めします。
6、人生の負け組
本日のブログタイトル「人生の負け組」についてですが、
仕事をセーブするという事は、収入が減るという事で、同世代で成功しているであろう人と比較すると負け組になると思います。
負け組さんは、
「今までの自分の歩んできた道を肯定し正当化しようとする」らしいので、
「父親優先が間違っていなかった」と言ってる私は、負け組の定義にハマっちゃってます。
この題材を取り上げてる時点で負け組意識が強いってことですもんね!
収入を減らした頃は確かに負け組意識が芽生えましたが、家族優先の穏やかな生活を続けていると、そういう意識は消えて行きました。
天気の良い日に突然思い立ってオートバイで出かけるというようなシチュエーションは、多忙の頃にはできなかったし、何より、今こうして自分の人生を振り返るブログ作成ができている時間の使い方って、悪くないと思います。
田舎は、都会と比べて収入格差の幅が少ないと思うので、コンプレックスを感じる幅も少ないのかもしれません。
都会で仕事や人間関係に疲れ切っている方がおられるとしたら、一度田舎の空気を吸いにいらしてくださいね。
Sponsored Link