汚れた英雄は現代でも通用するレース映画

「0.1(コンマイチ)秒のエクスタシー」

1982年末に公開された映画『汚れた英雄』予告編でのキャッチコピーが冒頭の台詞です。

画像は私が所有しているLPレコードのパンフレットですが、映画ではカッコいいカラーリングなのに、まだカラーリングが施されていない状態のマシンでパンフレット撮影をしていたってことですよね。

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1、解説

私が19歳の時の映画です。37年前ですか・・・。
随分と時が経ったんですね。( ̄_ ̄;)

当時、映画史上初の本格的2輪レース映画だったんです。

原作は、大藪春彦さんの同名長編小説で、映画は原作とは全く異なる内容なので、原作が好きで映画化に期待していた人の中にはガッカリ感を感じる方もあったらしいですが、「レーサー北野晶夫の生きざま」を2時間で描いた作品としてみると素晴らしい作品だと思います。

実際、原作を読んでいない当時の私が見た映画の感想は「最高!感動!」でした。

角川映画のプロデューサーであった角川春樹さんが、監督の人選に難航し自らが手掛けた初監督作品ですが、出演者のセリフが極端に少なく(特に主人公の北野晶夫)、映像の持つ迫力を前面に出す演出は、今見ても「最高!感動!」の気持ちは変わらなく鑑賞できます。

映画の最後、北野晶夫の世界選手権レースリザルトが流れるのですが、最後の文字を見た時に鳥肌が立つんですよね。
映画なのに映像ではなく文字で終わらせるところも、流石っ!角川映画と感じる部分です。


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2、ストーリー

素晴らしいレースシーンと挿入音楽、主人公を取り巻く登場人物の描写。
見飽きる事なく、112分があっという間に終わる映画です。

(1)レース

全日本ロードレース選手権・国際A級500ccクラス。第8戦から物語が始まります。
第7戦までの成績はプライベートライダー:北野晶夫が96点で1位。ヤマハワークスライダー:大木圭史が僅差で2位。3位には若手天才ライダー鹿島健がつけていた。

コースレコードを叩き出す速さを持つ北野ですが、第8戦のラスト1周で、パワーに勝る大木に見透かされたようにパスされ、最終戦を残してポイントで並びます。ファクトリーチームの技術と組織力、そして、ワークスマシーンとの差が敗因です。

第9戦までの間、エンジンのパワーアップとマシンチューニングに取り組み、迎えた第9戦。
果たして勝利の女神が微笑むのは・・・?

(2)北野晶夫という男

屋内プール、クローゼットルーム、書斎、トレーニングルーム、カウンターバーのある住居(マンション?)でのセレブ暮らし。

クルマは、「BMW ALPINA C1-2.3」

他のページと少し被りますが、上映当時、世間知らずの私は、「ジゴロの設定ならば、もう少しデカい高級車に乗ればいいのに」と思っておりましたが、その考えは間違いだと大人になってから気付きました。

スピードの世界に生きる北野晶夫が選ぶクルマは、コンパクトサイズボディにハイパフォーマンスチューニングが施された「羊の皮を被った狼」的な「ALPINA C1-2.3」なんだ!と、今なら理解できます。「デカさだけが高級ではない!」ということですね。

北野晶夫という男は、自分を追い込むクールな男なんです。

(3)スポンサー

プライベートチームを維持するには膨大な資金が必要です。
北野晶夫のもうひとつの顔は「ジゴロ」です。天性の美貌と強靭な肉体を武器に、3名の美女をパトロンに持ちます。

最終戦には3人の美女が駆け付けますが、国際的デザイナー斎藤京子は「bb ポルシェ911」という希少なチューンドポルシェで登場。

財閥の令嬢である御木本菜穂子は「ベンツ500SEL」で乗り付け・・・

極め付きは、石油王の娘クリスティーン・アダムスの大型ヘリコプター!
世界のセレブは規模が違います!

3、ちょっと変わった視点で見る

当時のSUGOサーキットの救急車は「グロリア330 ワゴン」

その3年前に北野晶夫が事故をした世界選手権での救急車は「ポルシェ928」

今でこそ、世界のクルマと渡り合えるデザインの国産車ですが、当時はスタイル・性能共、まだまだ外国車に太刀打ちできない日本の四輪界でした。

レースマシン「ヤマハTZ500」や「YZR500」は、2サイクル4気筒エンジンです。4本出しのチャンバーから白煙をあげながら始動します。
登場するバイクは、ポケバイからオフローダーまで、全て2サイクルというのが時代を感じますねぇ!

最終戦が終わると、次は世界選手権に打って出る北野晶夫は、日本で共に戦った緒方宗行一家に別れを告げます。
その時に、緒方一家(妻:あずさ。息子:和巳)は、BMWに荷物を積み込み出発し、晶夫は彼らを見送ります。

「えっ!?ALPINAをプレゼントしたの?」と思っちゃうシーンです。
流石っ! セレブ北野晶夫です。太っ腹ですよね!(笑)

レースシーンのスタントは、当時の若手イケメンレーサー:平忠彦さんが担当していたことは有名ですが、北野晶夫がゴール後のウイニングラップをウイリーで締めくくる場面のスタントは、平さんと同じヤマハワークスの木下恵司さんが演じていたんだそうですね。
2ストロークの500ccマシンはアクセル操作がピーキーで、当時の500ccクラスではルーキーだった平さんにはまだウイリー走行を披露するほどの経験がなかったためだということです。
( ̄▽ ̄;) 知らなかったなぁ~!

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