世界最速のインディアン 俺達はまだ若い!THE WORLD’S FASTEST Indian

こんにちは、オートバイが登場する映画で、大好きなシーンや気になったシーンをたまに紹介しているアーチビブログでございます。

今回紹介するのは

「63歳の初挑戦から約10年間、世界記録に挑み続けた本物のバイカー」

「オートバイ版バックヤード・ビルダーであるバート・マンロー」

の真実の物語の映画を語りたいと思います。

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「私はその年齢まで本気でオートバイに向き合っていられるのだろうか?」と思わずにはいられない物語です。

<バックヤード・ビルダーとは>
自宅の裏庭やガレージで、自分のクルマを直したり、パーツを取り替えたり、エンジンを乗せ替えたり、キットカーを組み立てたりもする車好きの人。
イギリスが発祥とされていて、F1で活躍したロータスのコーリン・チャップマンが有名ですね。

<あらすじ>

ニュージーランド最南端の町で暮らすバート・マンローの夢は、愛車のバイクで世界最速記録に挑戦すること。

若さもなければ金もない。
でも情熱だけは誰にも負けない。

夢をただの夢で終わらせたくないと決意を固めたバートは、独力で改造した愛車「1920年型インディアン・スカウト」とともに、スピードの聖地であるアメリカのボンヌヴィル塩平原へと旅立つ物語。

トライアンフにも同じ地名からきている「ボンネビル」というグレードがありますが、今回は、映画の字幕で使われている「ボンヌヴィル」という呼び方をしますね。

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<インディアン・スカウト>

バートの愛車はボンヌヴィルに挑戦した時よりも更に40年以上前の1920年式。
「インディアン・スカウト」です。

ちなみに、現代に復活した「インディアン・スカウト」はこちらです。

時の流れは感じますが、インディアンスタイルは確実に継承されていて素敵です。

<バックヤード・ビルダー:バート・マンロー>

バートは、ボンヌヴィルに挑戦する前にもオーストラリアとニュージーランドの速度記録を持っているのですが、40年以上の間にエンジンを壊しては直しを繰り返しています。

ピストンも溶かした鉄を型枠に流し込んで作るのですが、その内容が洒落ています

四輪用のピストンを溶解しながら。

「これを見ろ。すごいレシピ料理だぞ。シボレーとフォード。’36年型シボレーのピストンはチタンを含んでいるようだ。そこが大事なんだ!」

と、いつも遊びに来ている隣家の少年トムにレクチャーしております。

ピストンの焼き入れは、外に置かれたドラム缶に溜まった水にジュ~~!

食事の時にこの水を使ってお茶を入れるところが、真似はできませんが何だかカッコいい(笑)

また、「高速で走るとタイヤに遠心力がかかって外方向に広がりマシンのフレームこすっちまう。」という理由で、肉切り包丁を使ってタイヤのトレッド面をそぎ落とします。

現代のレースシーンで、スリックタイヤに溝を入れて応急レインタイヤを作るというのは聞いた事がありますが、タイヤの表面を包丁で切り落とした状態って、ガタガタで逆にスピードを出せない気がしますよね。

バランス取りの機器があるわけじゃなく、バートは感覚で分かる一流職人のスキルを持っているんだと思います。

< vs トライアンフ軍団>

ニュージーランドのスピード記録を持っていると言っても、古い古いバイクなので、街の不良グループに最新のバイクで勝負を挑まれたりします。

若者達のバイクは、時代を考えると当時最速のトライアンフだと思います。

結果は、ストレートはブッチギリですが、曲がれない!

曲がれないバートを若者達はバカにしますがそれは照れ隠しで、バートの速さと人柄は彼らにも伝わります。

メチャメチャ古いけれどもバカッ速のマシンを駆り。

「あのマシンがどのくらい速く走れるか。それだけはこの世をおさらばする前に試したい。」

「こういうマシンでスピードに挑む時は5分が一生に勝る。一生よりも充実した5分間だ。」

というように、スピードへの挑戦はバートの夢なんですね。

そして、夢の実現のため、借金をしてアメリカに出発します。


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<アメリカでの旅>

アメリカに到着したバートが、タクシーに乗って最初に驚いたのは電気代が大変だと感じたネオン街ですが、近年の日本のような光景も目にします。

後ろの黒いクルマにクラクションを鳴らされた赤いクルマが何度もバックしてぶつけます。

バート「わざとやってる!どうかしてる!」

タクシー運転手「見るな!イカレ野郎が多いんだ!」

バート「信じられん街だっ!あはははっ!」

日本のあおり運転事件のような、切れやすい性格のドライバーが多い街なのでしょうね。

旅の途中で出会う人達とのストーリーは端折りますが、地球の裏側の見知らぬ地へたった一人でやって来た65歳の老人です。

普通なら途方に暮れるのではないかと思うのですが、出会う人達がことごとく優しくてチカラになってくれるのはバートの人柄だからこそだと思います。

値切りまくった安い中古車を自分で調整し、そのディーラーの工場を借りてリヤカーを作成しボンヌヴィルを目指します。

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<Bonneville Speedway>

そして、ついにやって来ます。
[ Bonneville Speedway ] の看板が見えます。

「着いた!自分でも信じられない!本当にここに来た!あははっ!やった!」

「デカいことをしたかった!ほかの奴らに出来ないことを!それでここに来た!」

「ここはデカいことが起こる場所だ!」

「陸上のスピード記録はここで作られた!この場所でね!」

「ここは神聖な土地なのだ!その聖地に今立っている!」

夢に見た聖地にやっとの思いで辿り着いたバートですが、「登録は先月締め切った。名前を出してない者は走れない。飛び入りは受け付けない。」と、受付で断られてしまいます。

今のようにネットで確認が出来る訳じゃなく、1960年代に地球の裏側の田舎町で暮らすバートが事前の受付が必要な事など知る由もないんです。

普通なら怒るか落ち込むかだと思いますが、バートは諦めません。ボンヌヴィルで知り合ったレーサーのジムに何とかならないか頼みます。

とりあえず、マシンの点検だけはやってくれる事になるのですが。

「フォークはおしゃか寸前」
「サスペンションは1920年もの」

「タイヤは細い割れ目だらけ」
「消火器もパラシュートもない」

「年齢オーバーだ!」

と言われます。

それに対するバートの言葉は、「バカ言え!顔にシワはあっても心は18歳だ!走りを見りゃわかる!」です。

オートバイに乗ってる方々には共感できる言葉ではないでしょうか

バートの素朴で礼儀正しい人柄は参加者や関係者にも影響を与えて、味方が増えていくのですが、マシンの安全面が心配という理由で許可が下りません。

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<バート・マンローの想い>

「あいつら何様だと?足で走ろうってんじゃない。スロットルを開いて突っ走るだけだ。賭けるのは俺の命だ!話はつかないのか?一度でいいから321キロの壁を破りたい。そうしたら、おとなしくニュージーランドに帰る。事故る可能性は誰も同じだ。」

と、もう一度だけ、掛け合って欲しいとジムに頼みます。

「あいつらに若さじゃ負けないぞ!年寄りは暗い隅に行って静かに死ねばいいと思ってる。だが、バート・マンローはまだ死なんぞ!」

と、関係者の目を盗んで勝手に走ろうとしますが失敗に終わります。

諦めるという事を知らないバートの願いが通じ、せいぜい時速120キロがいいところだろうから、諦めさせる意味でもとテストランを許されます。

テストランでは、伴走車を軽くブッチギリ、「トップギアの伸びが素晴らしかった!」と言わせますが、実はトップギアには入らなかったと言い、実力を認められて許可が下ります。

「ありがとう。25年間見続けた夢がやっと叶った。」

クライマックスの臨場感は言葉にできないのとネタバレをさけますが・・・。

結果報告を頼まれていた故郷の友人である隣家の少年トムへの電話のシーン。

「トム・・・君か?バートだ!やったよ!世界最速のインディアンだった!」

全てが終わって帰宅した時のトムとの会話のシーン。

トム「何キロだしたの?」

バート「すごかった 321キロを超えた」

トム「それで口を開けるとどうなるの?」

バート「尻が後ろへ吹っ飛ぶ!」

トム「あははっ!」

です。

凄いですよね!

古い車体と信頼出来ないブレーキ。
小屋で作成したピストンに包丁で削ったタイヤ。
しかもタイヤの割れ目は靴墨を塗って誤魔化しているようなマシンで時速320キロオーバーって・・・・。

私の場合、オイルが少し古くなるとエンジンをブン回すのを躊躇するし、タイヤの空気圧チェックを怠った時は怖くて飛ばせないです。

でも、バートにはどこまでが安全でどこから安全でないかが分かるのかもしれませんね。

おそるべし60代ですよね。リターンライダーの皆様、私達はまだまだ若いです
って、60歳以上のライダーさんが見ておられたらごめんなさい。

最後に、次の言葉で締めくくられます。

バートはマシンに改良を重ね ボンヌヴィルに9回も戻り何度も記録を塗り替えた。
1000cc以下 流線形マシン部門の1967年の記録は今も破られていない・・・・・。
                                 THE END

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<まとめ>

1960年代の実話。前回紹介した映画「イージーライダー」の時代背景と同じ年代です。
ライダーって、いつの時代も反逆のイメージなのかもしれませんが、私の周りのライダーさんは、皆さん良い人です。

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映画の紹介ブログってネタバレしすぎるとNGなので難しいですね。

それではまたっ♪

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