静岡県警の警察官が交通取り締まりで暴言を吐き恫喝をしたというニュースがあり、ネット上でも話題になっております。
警察官も優しいだけでは務まらない仕事なので、どちらの言い分も聞いてみたいのですが、今のところは違反者側の一方的な気持ちが拡散されています。
道路交通法の勉強にはなるので、このケースを考えてみたいと思います。
1、静岡県警警察官の恫喝の内容
十字路の交差点を右折しようとした女性ドライバーが歩行者があったため交差点内で停止し、歩行者が横断歩道を渡ったのを確認し発進したところ、警察に止められ免許証の提示を求められました。
20代の女性ドライバーは免許証を一度見せたのですが、警察官が免許証の内容を確認できる見せ方ではなかったようです。
<女性側の意見>
警察官から違反行為について明確な説明がなく、警察手帳の提示もない事を不審に思い、その後の免許証提示を拒むと、警察官は「僕一人で切符を出せる権力を持っている。システムに納得がいかないならあなたが法律とシステムを変えてみろ。」と言い放ったということです。
恐怖を感じた女性は証拠のために動画撮影を始め、そのやり取りの中で警察官は「あなたが指名手配犯かもしれないから。」と免許証提示を求め、押し問答は1時間続いたとのこと。
女性はたまりかねて110番通報し、その後、警察官の上司と同僚が現場に到着。
上司に促され警察官は女性に謝罪し、女性は交差点右左折方法違反で減点1点。罰金4000円を支払う事になった。という内容です。
ちなみに、警察官は、県警名と階級章入りの制服とベストおよびヘルメットを着用していて、一目で警察官と分かる身なりです。
2、交差点右左折方法違反
中央線をはみ出して対抗車線を走って右折するのは、右折方法違反に該当する。
自動車は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
上の図で説明すると、要は、青いラインで右折しなければならないところを、赤いラインのようにショートカットし過ぎたという事ですね。
分かり難い違反なので、私が止められたとしても、シッカリとした説明をして頂かないと納得できないかもしれません。
3、今回のケースを考察
ただ、交通違反をした場合、警察官から免許の提示を求められたら、免許提示をしなければ「免許提示義務違反」になり、警察官は逮捕することも可能です。
警察手帳の提示をしなかった警察官を本物かどうか疑った女性と、運転免許証をシッカリと提示しない違反者を指名手配犯かもしれないと疑った警察官の押し問答ですが、女性のクルマには同乗者の男性が乗っていたとの事なので、仮にコスプレマニアの偽警察官だったとしたら、明るい時間帯に目立つ交差点で同乗男性がいるクルマの女性に動画を撮られながら1時間も押し問答をするでしょうか?偽警察官だったらサッサと逃げますよね。
本物の警察官だからこそ、免許証を提示できない理由を聞かねばならない訳で、時には厳しい言葉を遣ってでも時間を掛けている現状を、この女性は把握するべきだったのではないでしょうか?
「指名手配犯かもしれない」という言葉は分かり易く説明しただけで、「無免許運転の可能性があるかもしれない」と同じ意味に受け取っていいと思うので、このケースは女性に分が悪い気がしますね。屁理屈をこねて違反を免れようとするドライバーもいますからね。
滅多にない微妙な違反だと思うので、免許提示を求められた際にシッカリと提示し、違反内容の説明を受け反省したら見逃して貰えた可能性がありますよね。
私が年寄りだからかもしれませんが、「免許提示をしない。反省もしない。逆に動画撮影を始める違反者」に対して、この警察官はよく逮捕もしないで我慢を続けたと思ってしまいます。
ただ、「システムに納得がいかなかったらシステムを変えてみろ」という言い方はちょっとマズかったですね。
あと、本物と分かった後に、SNSで拡散した事を考えても、女性に分が悪いと思います。
お巡りさんも女性も経験値がアップしたということで、腐ることなく、前向きに頑張って欲しいと思いました。
それではまたっ!
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