カワサキ ニンジャ SS(スーパースポーツ)の歴史 Kawasaki Ninja Super Sports History

こんにちは、アーチビブログです。

Kawasaki製バイク「Ninja」というペットネームはカワサキ製バイクの多車種に展開されてますよね。

例えば、「スズキ ハヤブサ」って、モデルチェンジを繰り返しても、一目でそれと分かるオンリーワン体制です。

だから、ハヤブサオーナーから見ると「ニンジャって、どれがどれやねん?」って思われているかもしれません。

Ninja乗りがNinjaをディスってます!

そんなNinjaを、大きく大別すると次の3系統に分けられると思うんです。

〇 市販車世界最高速にこだわった「Ninja」
〇 サーキット最速にこだわった「Ninja」
〇 オールマイティスポーツ「Ninja」

で、今回は、サーキット最速にこだわった「SS(スーパースポーツ)編」の紹介です。

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1、Ninja ZX-9R

1990年代に元祖メガスポーツ「ZZR1100」が大ヒットしましたが、全てのライダーに受け入れられたわけじゃないんですね。

いきなりホンダ車の紹介なりますが。
切っ掛けは、1992年にデビューした「HONDA CBR900RR(ファイヤーブレード)」です。


(CBR900RR 130ps/10500rpm  180kg)

メガスポーツの大柄な車体と最高速度域での安定性を求めたハンドリングよりも、レーサーレプリカ系のコンパクトな車体と軽いハンドリングで、CBR900RRは世界中のベストセラーとなり、ツアラーともレプリカとも違う、スーパースポーツ(SS)という造語を生み出しました。

特に欧州の若者層は大きくて重いメガスポーツよりも、コンパクトでハイパワーなSSモデルを好んでいたこともあり、カワサキは「打倒CBR900RR」を掲げ、世界スーパーバイク選手権チャンピオン(1993年)レプリカマシン「ZXR750」をベースに排気量を拡大しツインラムエアシステムを取り入れた、ZZR1100ZXR750のイイトコ取りと言えるマシンを開発します。

そして誕生したのが「Ninja ZX-9R」です。

カワサキが誇る偉大な名車「900 SUPER FOUR Z1」そして、初代Ninjaである「GPz900R」の誕生から10年を経て誕生した ZX-9R は、カワサキにとって特別な意味を持つ排気量から、「マジック9」と呼ばれました。

ZX-9Rは、カワサキが公道重視を公言していてサーキット最速を目指したマシンではありませんが、改造されたレーサーは様々なレースタイトルを獲得していて(こういうところもカワサキ車らしいです)カワサキSSの元祖と言えます。

ZX-9Rは、初期型B型 C型(C型にキャタライザーを装備したD型) E型 F型とモデルチェンジで進化します。

C型では、ZX-6Rをベースに約35kgの軽量化、エンジンは新設計の水冷並列四気筒DOHCが与えられ、このエンジンが我がNinja1000エンジンの元なんですよねぇ

ZX-9R
型式 年式 最高出力 最高出力発生回転数 乾燥重量
ZX900B 1994 139ps 10500rpm 215kg
ZX900C(D) 1998 143ps 11000rpm 183kg
ZX900E 2000 144ps 11000rpm 183kg
ZX900F 2002 144ps 11000rpm 186kg

ちなみに、ZX-9Rは愛着を込めて通称「ユメタマ」または型式により「Bタマ」「Cタマ」なんて呼ばれることがありますが、それは、車体ロゴがそう読めるからなんです。

「Z ユ」は少し無理がありますが、「メタマ」は完璧にそう読めちゃいますね(笑)


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2、Ninja ZX-6R

4ストローク4気筒600cc以下、3気筒675cc以下、2気筒750cc以下の公道用バイクをベースにしたマシンで争われる、WSS(World Supersport Campionship)= スーパースポーツ世界選手権でのレース活動が売り上げに直結するミドルクラス。

欧州では小型軽量のミドルクラスも人気なんです。

Ninja ZX-6Rは、そういう背景から599ccで出発しましたが、2002年からは他車の600cc SSモデルと差別化を図り、レース参戦を前提にした排気量599ccと、公道走行を重視した636ccモデルが存在します。(レース参戦仕様はZX-6RR

600ccで100馬力以上のパワーを絞り出すために高回転型エンジンとなり、公道では低速のトルク不足が顕著なため排気量アップで補った形です。

上の画像は2003年モデルですが、161kgの乾燥重量に118馬力を発生するエンジンです。

2019年モデルのNinja250(2気筒166kg/37ps)を例に挙げれば、ZX-6Rの韋駄天ぶりがよく分かりますよね。

ZX-6R
型式 年式 最高出力 最高出力発生回転数 乾燥重量
ZX600F 1995 105ps 12500rpm 182kg
ZX600G 1998 108ps 12000rpm 176kg
ZX636A 2000 118ps 13000rpm 199kg
ZX636B 2003 118ps 13000rpm 161kg
ZX636C 2005 123ps 12500rpm 164kg
ZX600P 2007 109ps 12000rpm 167kg
ZX600R 2009 119ps 12500rpm 167kg
ZX636E 2013 129ps 13000rpm 194kg
ZX636G 2019 126ps 13500rpm 197kg

その後、2007年式から主要マーケットである欧州の要望から599ccに一本化され、シート後方のセンター出しマフラーが特徴の600P型(下の画像)、キャタライザー通常の1本出しマフラーへ変更され更なる軽量化が進められた600R型、そして、599cc仕様は先代ZX-6RRを残し、公道仕様として復活した636ccでフルモデルチェンジを受け、出力モード切替やトラクションコントロールを備えた636E型、現在の636G型と続きます。

日本では馴染みが薄いクラスですが、2種類の排気量を揃えたり、シッカリと改良とモデルチェンジを繰り返すんだから、間違いなく名車なんですよね。
636F型が一番カワサキSSらしい顔だと思う私です。


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3、Ninja ZX-7R

1996年デビューの「ZX-7R」は、750cc4気筒エンジンで争われる当時のスーパーバイクレース用ベースマシン「ZX-7RR」と、公道仕様「ZX-7R」が設定されていました。

2002年までイヤーモデルを重ね、2003年からスーパーバイクレースの排気量上限が1000ccに変更されたのを機に、ZX-9Rと統合されZX-10Rにバトンタッチを受けました。

2002年モデルの諸元は、総排気量748.3cc、乾燥重量205kg122ps/11800rpm です。

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4、Ninja ZX-10R

私の場合、カワサキのスーパースポーツと言えば、最初に浮かぶのが「ZX-10R」です。

スーパーバイクレースの排気量アップに伴いカワサキがサーキット最速を目指し、一般車両として初めてパワーウエイトレシオが1kg/psを切った車両です。
(170kg/175ps)

開発者をして「スポーツ性を左右する味付けで悩んだ時には、躊躇なく市街地適正やツーリング適性を削った」と言うほど、「粗削りで操るのが難しい分かる人だけ乗ればいい乗れるものなら乗ってみやがれ」というスパルタンな初期型(ZX1000-C1型)ですが、凛とした佇まいは、どちらかと言えば武骨なカワサキらしくなく美しいと思います。

ZX-10Rの目的は、あくまでもスーパーバイク選手権制覇です。「サーキットでのナンバー1パフォーマンス」という明確な目標の下、更なる熟成が進められます。

2代目となるD型は、ZX-6Rの同時期型もそうですがセンターアップマフラーを備え、ジャジャ馬だった初代モデルより、ピークパワーに達するまでの過渡特性が大幅に改善されます。

3代目のE型は、複数の平面で構成されるボディワークが特徴で、エンジン側面が大きく露出した個性的なデザインです。

2010年の小改良を経て、2011年型は10R最大のモデルチェンジを受けます。

スロットル開度やエンジン回転などからも状況判断しブレーキの油圧を制御する最先端のスポーツABSが装備されました。

数度の改良を経た現在の2019年型は、ライドバイワイヤ(完全電気信号スロットル)、トラコン、ウイリーコントロール、クイックシフター、電子制御サスペンションなど「サーキット最速」をコンセプトにラップタイム短縮につながる機器はやパーツは全て兼ね備えたマシンになっております。

ZX-10R
型式 年式 最高出力 最高出力発生回転数 重量
ZX1000C 2004 175ps 11700rpm 170kg(乾燥)
ZX1000D 2006 175ps 11700rpm 175kg(乾燥)
ZX1000E 2008 188ps 12500rpm 179kg(乾燥)
ZX1000K 2011 200ps 13000rpm 201kg(装備)
ZX1000R 2016 200ps 13000rpm 201kg(装備)
ZX1002E 2019 201ps 13500rpm 206kg(装備)

5、まとめ

まったりツーリング派の私には無縁の「マシン群」ですが、エンジン・フレーム・サスペンション構成・電子制御システムなど、レーシングフィールドからフィードバックされた装備がツーリングバイクにも拡大採用されるわけで、こうやって文章に書き出してみると、改めてSSモデルの凄さが分かりました。

中でも、「ZX-9R」が登場した頃は私も30代になったばかりの年齢で憧れましたよぉ

そういう意味で、現在所有のNinja1000のエンジンの元祖が9Rのエンジンというのは非常に嬉しいですっ

合わせて読みたい

「世界最速にこだわり続けた Kawasaki Ninja の歴史」

「Kawasaki Ninja スポーツツアラーの歴史」

どちらの記事も沢山のNinjaを紹介しておりますので、興味がありましたら覗いてみてくださいね。

Ninja というネームは数あれど、どれも素晴らしいんだから、所有者が満足していればそれでいいんです

 それではまたっ♪

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