こんにちは、アーチビブログです。
先日、オートバイ仲間から「残念なお知らせ」というLINEが入りました。
バイク乗りが聞きたくない言葉ですが、「転倒」してしまったお知らせでした。
あちゃ~!
彼のバイクは、ピカピカの「ZEPHYR1100 レッドボール仕様」です。
勿体ない!
私自身、バイクに乗る機会が少ない似非(えせ)ライダーを自称しているのですが、彼の場合は、忙し過ぎて私以上に乗らない(乗る暇がない)ライダーなんですよね。
ただし、十代からバイクに乗っていて運転は上手いので、なんで簡単に転けたのか?という疑問を抱きました。
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1、LINEの内容
LINE内容を要約説明しますね。青文字が友人。オレンジ文字が私です。
残念なお知らせ(涙)
ゼファーに久しぶりに乗って帰りの自宅近くの交差点で左側に転倒!
エンジンがかかり曲がったハンドルでも真っ直ぐ走ったので自走で帰ったけれど、胸と右肩がヤバい痛みで病院に行った!ちなみに外傷はない!
レントゲンでは骨に異常はなくてCT撮ったら肋骨がズレてる!
ジッとしていると大丈夫なので週明け再度本格的な診察です。
何てことだぁ~!
左直角コーナーで転倒ってことは、減速不十分?
身体はそのうち治るだろうけど、ZRPHYRの損傷は?
まずは身体を無理せず早く完治させてほしいけど、バイクも何とかせねばっ!
アウトにはらんだ訳でなく先にリアが滑ったんだよ(涙)
で、立て直す事もできず、訳分からんうちにコケて、不思議な感覚なのが、なんで右肩を路面にぶつけたのかが分からない!
痛いのは左膝の擦り傷と、左手首の打撲と、胸部と右肩!
ゼファーは車庫に入れてよく見てないけど、左側が「う~ん」だよ!(涙)
バイアスタイヤが古くなってグリップが甘くなりだしたのかもなぁ!?
病院の帰りに見たら横断歩道の白線にスリップマークが!
もうすぐ(自宅に)到着する気の緩みとラフなシフトダウンにタイヤの劣化かもしれない。
身体の痛みは事故直後より少し楽になりました。修理はゆっくり進めます。
という内容です。
入院するほどの怪我ではなく良かったのですが、肋骨やら肩やら痛めてますねぇ。
かわいそうに!
バイクは、きっと今は精神的に見たくない状態だと思うので、身体が完治して落ち着かないと修理には至らない感じですね。
2、何故、簡単に転倒したのか?
購入から10年以上、ほとんど乗らない状態で車庫保管されていて、家族(嫁さんや娘さん達)から「あの動かさないデカいバイク!要らない!」と言われるほどマジで乗られていないゼファー1100です。
彼のゼファーは、2005年式をレッドボール外装に換装した車両です。
購入当時、既にゼファーは絶版車でしたので、走行1000km程度の極上の中古車を新車価格を上回る絶版プレミアム価格で購入した車両です。
滑って転倒の原因は、おそらくタイヤではないでしょうか?
タイヤの耐用年数は、種類にもよりますが一般的に3年が目安だと言われています。
ゼファー1100のタイヤはバイアスタイヤで、バイアスタイヤの寿命はラジアルタイヤよりも短い場合が多いと思います。
⇧の画像手前のイエローボールは私が所有していた2006年式ですが、タイヤの山があっても、急制動で簡単に滑ったり、ラフなアクセル操作をするとパワースライドが激しくなっていたのでタイヤを交換していましたが、ほとんど乗らない彼のゼファーは購入時のままでした。
オジサンなので攻めるような走りはしませんから、古いタイヤでも乗れないことはないのですが、約15年経過したタイヤトレッドの硬化してスベスベのサイド部分が直角コーナーで横断歩道の白線に乗ったら!?
そりゃぁ!滑りますわぃな!
3、バイアスタイヤとラジアルタイヤの違い
「ゼファーは古いバイク」「古いバイクだからバイアスタイヤ」というわけではないので、話のついでに、バイアスタイヤとラジアルタイヤの違いについて記しますね。
タイヤは、ゴムだけの構造では強度がなく、車体の重さやコーナリング時のGに耐えられないので、複数本のナイロンやワイヤーを巻き付けて束ねた層の骨格(カーカス)から形作られています。簡単に言えば、バイアスとラジアルの違いは、そのワイヤーの配列の違いです。
(1)バイアスタイヤの構造
カーカスが斜め(Bias)のバイアス構造は、1枚ではネジれてしまいます。
それを防ぐために逆方向に複数枚重ねて、ブレーカー(主にナイロン)で締め付けています。
バイアスタイヤは、タイヤ全体が柔軟性を備え乗り心地が良いです。
また、衝撃に対する強度が非常に高い反面、転がり抵抗が大きく燃費やトラクション性能の面でデメリットとなり、この欠点は高速域になるほど顕著になります。
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(2)ラジアルタイヤの構造
ラジアル構造は、カーカスがタイヤの中心から放射状(Radial)に配置され、それをベルト(主にポリエステル)で締め付けています。
ラジアルタイヤは、進行方向に対して90度の角度でワイヤーが配置されるので、バイアスタイヤに比べて転がり抵抗が小さく燃費が良くなります。
また、トレッド面(タイヤが路面と設置する部分)の変形を抑えるので、走行安定性やトラクションの確保に優れています。
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(3)バイクに会わせた選択
グリップ性能も燃費性能もラジアルタイヤが上ということは「俺のバイクはバイアスだから次はラジアルにすっかな?」とか、「売ってるバイクは全車種ラジアルにすればいいのに!」なんて思いますよね。
バイアスタイヤが標準のバイクは、それ用のサスペンションセッティングがされているから、タイヤだけラジアルに交換すると、乗り心地が悪化したり曲がりにくくなったりすることがあるので注意が必要です。
ラジアルタイヤは構造上サイドウォール(路面と接地しない横の部分)が弱いので、悪路などではバーストの危険があるのに対して、バイアスタイヤは全体的に強度があるのでオフロードバイクなどには適していると言えます。
また、バイアスタイヤは、ラジアルタイヤに比べてグリップの限界が低いのですが、限界が分かりやすいメリットがあります。
というのは、バイアスタイヤは、タイヤ全体でたわむので、滑り出しが穏やかで対処しやすいのに対して、ラジアルタイヤは、トレッド面がグリップを担当しサイドウォールがたわみを担当するので、グリップの限界を超えた時は唐突に滑り、対処しきれない場合があります。
表現が難しいですが、バイアスタイヤはグリップの限界近くでズリズリッ!っと徐々に滑り出すのに対し、ラジアルタイヤはグリップの限界まで粘り、一気にスパーン!と滑ります。
しかも、ラジアルタイヤのグリップを超える限界域はかなりの高速度域なので一般のライダーが攻め込むには危険だとも言えます。
ただね、バイアスの限界が低いと言っても、ゼファー1100やCB1100に採用されているくらいですから、通勤やツーリング主体のライダーはグリップの限界なんて気にしないでいいレベルなわけですし、価格が安くて乗り心地が良いバイアスタイヤは趣味性のあるバイクに似合い、これからも消えることはないと思います。
私の場合、ゼファー1100時代は、タイヤの限界を徐々に教えてくれるバイアスタイヤの特性のお陰で、スリップやスライドを何とか回避できた経験があるので、ハイグリップなラジアルよりもバイアスの方が好きかもしれません。
4、まとめ
ラジアルでもバイアスでも、砂や白線で唐突に滑る時はどうしようもないわけで、今回の友人の転倒は、転んでしまう要素が色々と揃ってしまった悲劇と言えます。
バイクって気を抜くと転ぶんです!
皆さんも、気を引き締めて楽しいバイクライフを送りましょうね!
<追記>
後日、損傷箇所の画像が送られてきたので、画像と壊れたパーツの金額を計算したページを作成しました。
⇩の画像をクリックすると移動しますので興味がありましたら覗いてみてくださいませ。
結構な修理金額でございます!(汗)
それではまたっ!
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