田舎の町内会の仕組み 良い事と悪い事の一例

こんにちは、田舎暮らしをしているアーチビブログです。

「田舎」というと、皆さんはどういう想像をしますか

山の中の一軒家とか、のどかな田園風景、出会う人のほとんどが農作業の格好、etc・・・。

私が想像しても、だいたいそんな感じです。(笑)

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地方に熱い視線が注がれる昨今ですが、良い事ばかりではありません。

都会から田舎へ移り住み、憧れの田舎生活を始めたのはいいけれど、村の掟に馴染めず、孤立してしまい転居を余儀なくされた。というような記事を読んだことがあります。

「掟(おきて)」と書くと古く重い感じなので、「規則」とか「決まり事」と書いた方が現代的だと思いますが、確かに、古い決め事に縛られている集落は存在するのだと思います。

私が現在の場所に居を構えてから約30年ですが、常識では考えられないと思えた規則もありました。独裁的な長老に楯突いたりもしました。
時の流れとともに常識破りの規則も時代に合わせて変わって行き、今ではIターン移住者の方も増えて仲良くやっているので、田舎暮らしを考えておられる方の参考になるかもしれないので一例として記そうと思います。

私が暮らす田舎は、山に囲まれてはいますが、駅、スーパー・コンビニ・ホームセンター、飲食店等(飲み屋さん含む)があり、暮らす上で不便を感じる事がない田舎です。

町の人口は約7000人(最盛期の約半分)で、私のように駅近くの中心部に住む家庭から、文字通り山奥に住む家庭まで、たくさんの集落(町内会)が存在します。

その中の、私がお世話になっている町内会の会費や役員について記述します。

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1、町内会費について

私の町内会(○○丁目という区分けです)は、現在約80軒を7つの班で割って構成されております。

町内会費は一軒あたり月1,000円(年12,000円)です。

また、町内会区内の事業所も町内会に協力体制にあり、会社や商店の規模に合わせて年間4,000円~20,000円の会費を納められ、二十数社で約200,000円です。
(駅周辺なので事業所が多い町内会だと思います。)

なので、町内会の年間活動費は約115万円で賄われております。

都会の自治会と比較して高額な会費と思う方が多いと思いますし、町内会運営費って年間にそんなに要るの?と思う方も多いかもしれませんので、会費の支出内訳と説明をします。

(1)公民館助成費

300,000円

田舎ならではと申しましょうか、公民館活動があります。

公民館助成費の中から子供会への助成費として5万円が支払われます。

また、敬老会開催費用として約10万円。
運動会や年2回の球技大会の慰労費や練習費用で30万円は消えて行きます。

(2)神社費

170,000円

これも田舎ならではで賛否両論あると思いますが、住民は無条件に神社の氏子(うじこ)とみなされ神社費を納めることになっているので、私の町内会では、別途集金するよりも町内会費として集金した中から軒数に応じて支払うようになっております。

(3)共同費

110,000円

他の町内会と共同で行う事業や消防団の活動費等はここから支払われます。

(4)公民館管理費

100,000円

各町内会に一つの公民館があり、集会や行事に使われます。

電気料金、水道料金、下水道料金、ガス料金、備品の購入等で年間約10万円です。

(5)会議費

100,000円

元日に総会・新年会が開催されます。

昨年の事業報告や会計報告等が発表されたあと新年会となるのですが、出席者へはちょっぴり豪華な弁当が配られます。私の町内会の会議費10万円は、ほぼ新年会の弁当と酒代です。

元旦早々に仕出し弁当を作ってくれる業者が少なくなり、この新年会はそろそろ考え時だと思います。

(6)災害対策費

100,000円

近年、異常災害が増えたので計上された対策費です。

例えば、川の氾濫で人力では無理な修復の場合、重機の手配などは、他の町内会と連携し費用も出し合う事になっております。

(7)借地料

60,000円

公民館の借地料です。

(8)街灯費

55,000円

町内会が管理している街灯二十数基の街灯電気代です。

(9)街灯整備費

35,000円

街灯の球切れ等の整備費ですが、数年前にLEDに替えて以後は支出が少ないです。

(10)事業費

40,000円

水路清掃や花壇の植花作業等の費用です。

(11)水防・消防費

30,000円

消火栓に設置されている消防ホースや収納箱の修理費、水防の際の土嚢代などです。

(12)保険料

15,000円

公民館の火災保険料、除雪機の対人対物保険料です。

(13)事務費

10,000円

会合等の資料のコピー代等です。

(14)予備費

25,000円

町内会で訃報があった時、予備費から町内会名の供花(5,000円程度)を贈ります。

以前は寄り合って葬式の手伝いをしていましたが、現在は寄り合う事はありません。

以上、神社費のようなちょっと訝しい(いぶかしい)費目もありますが、町内会費については、田舎のお付き合いとして肯定できる範囲だと思います。

2、役員について

戸数80軒。人数は220人くらいの町内会ですが、70才以上の独居老人も多いです。

その中で、忙しい役職から肩書だけの役職を含めて50くらいの役職があります。

ハッキリ言って役職が多過ぎですよね
なので、役員名簿には、同じ氏名が重複している欄が多いです。

役員名簿の中で忙しい役職を紹介します。

(1)町内会三役

「町内会長・町内会副会長・会計」が三役です。

町内会長は、町の各事業の会合出席や町内会での会合取りまとめ、葬式への出席に至るまで、かなり多忙です。

輪番で回せる役職ではないので、改選時期には人選が難しい役職(誰も受けたがらない)と言えます。

副会長は、役場から配布される資料を仕分けして、各班の班長へ配るのが主な仕事。町内会長が出席できない場合の代理などが役割です。

会計は、町内会費の管理。書類作成が仕事です。

個人的意見ですが、町内会長は、定年を迎えられて自宅に居る事が多い人、もしくは自営業者等で、平日でも自由時間が作れる人が適任者であり、サラリーマンの方は受けるべきではない役職だと思います。

副会長は、仕事に関係なく誰でも出来る役職。

会計は、銀行窓口に行く機会が多いので、平日に自由時間が作れる人で、できればパソコンが使える方が適任者です。

(2)班長

町内会費や募金関係の集金。町からの資料を班内の各戸へ配布。事業の出席等、結構忙しいのが班長です。

私の町内会では、1年毎に各班内で輪番で改選されますが、高齢の独居老人や、出張が多い一人暮らしの方など、出来ない人は外して回されます。

班長は、仕事や年齢に関係なく出来る役職だと思います。

例えば、かなりの高齢者だけど班長を受ける人があった場合、周りでフォローする流れが私の町内会では出来ていると思います。

(3)公民館役員

公民館長・副公民館長・会計・体育部・文化部・社会部 の6人編成です。

体育部は、町で行われる運動会や球技大会の会合出席。

文化部は、町で行われる広報作成等の会合出席。

社会部は、町で行われる人権学習等の会合出席。

公民館長と副館長は、上記の会合を受けて、町内会での選手選考や会合の取りまとめ。

会計は、慰労会準備を含めたお金の管理をします。

公民館役員は、どの地区も若い世代が多いです。日曜日が仕事という人には不向きですが、誰でもでも出来る役職だと思います。

以上、町内会三役・班長・公民館役員。は、それなりに忙しい役職です。

新たな移住者に、いきなり三役を持って行く事はありませんが、班長は輪番なので当たる可能性はあります。

公民館役員は基本的には若い世代。特に、お子さんがおられる家庭の方が受けると、子供会との連携が取れてやり易いと言える役職です。

町内に早く溶け込みたい思いがある方は、何かの役職を受けてみるのも有りだと思います。
ちなみに、私がそうでした。

他にもたくさんの役職があるのですが、例えば氏子総代なんて、越してきていきなり受ける役でもないですし、肩書だけの役職なんて受けても受けなくても一緒ですし、今回の紹介では省いておこうと思います。

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3、過去に経験した理不尽と思える強要

現在は住み良い環境の我が町内会ですが、移住当初に理不尽と思える強要があったので、これも一例として挙げておきます。

移住から1か月経過の頃、町内会の有力者の訪問があり、「町内会の決まりとして、ここに住むのなら、町内会に10万円を納めてください。」と言われました。

新居を建て、これから長いローンを支払っていく身に、予定外の10万円の出費は大きいです。

ムムッ!

理由を聞けば、「町内会の住民がお金を出し合って建てた公民館があるから、ここに住むのなら同じように建築費用を払って貰う事になっている。内訳は、新築の家からは10万円。借家からは7万5千円を集金すると決まっている。」との事。

建築時には、公民館建築資金積立金として各戸から毎月集金し、1戸あたり10万円程度が集まり、寄付金と合わせて建築費用が支払われたとの事ですが、私が住み始めた頃には明らかに古い建物でした。

「古い建物に対して新築時と同じ金額を集金するのか」という疑問と、「借家で7万5千円は高額過ぎるのでは」という疑問と、書類もなく口頭のみの説明に疑問を抱き、「10万円の詳細が知りたいので規約を見せて頂けますか」と聞くと、「そんなものは無い。」という返答でした。

疑問と疑念が頭の中を駆け巡りましたが、引っ越し早々町内会へ楯突くことも出来ず、10万円を捻出して支払いました。

わが家の場合は、「支払ってください。」という軟らしい言葉でしたが、支払いを求められたご家庭の中には「10万円支払わないと住ませんぞっ」と脅しに近い口調で迫られた方もあるそうです。

当然、なぜ10万円なのか納得できる書類がなければ支払わないという方もおられましたが、その支払っていない方に公民館長を任命したりするわけで、当時は、一貫性のない支離滅裂な長老達のご意見に振り回されている町内会だと感じました。

この理不尽さは正すべきで、「越してきた人からお金を取ろうとせず、過疎化の町に住んでくれる事をありがたいと思いましょうよ。」という意見もあるわけで、数年掛かりましたが、移住者からの10万円の集金を止める事が総会で承認を得ました。

でも、昨年越してきた青年が、お年寄りから「10万円払わんとなぁ」と言われたそうで、勿論払わなくていいのですが、長老達には規約改正などどこ吹く風だったりします。

4、役職に関係なく楽しんでいる事

現在の我が町内会は、若者世代、中堅世代、年寄り世代が上手く結びついた格好で、長年中止になっていた納涼祭を復活させたりして、他の地区から羨ましがられるほど楽しくやっております。

大きな事をやってるのではなく、友達とやるBBQパーティーを少し大きくする程度の催しを企画してビラを配ると、強要せずとも皆さんが集まってワイワイやりだす感じで、世代間の距離が縮まったのを感じます。

元からの定住者と、移住者が半々くらいになったから、今が一番いい時なのかもしれません。

田舎への移住を考えておられる方、田舎と言っても様々です。自分に合う町合わない町があると思います。

吟味された中に、きっと、あなたに合った楽しい田舎があると思います。

それではまたっ♪

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