最近の交通違反や交通事故のニュースは、高齢者の事故よりも飲酒運転での検挙やバイクの死亡事故が多い気がするアーチビブログの あーさん です。
で、今回気になったのが、「速度超過の交通違反による交通裁判に、約2年にわたって10回以上の呼び出しを受けたにもかかわらず応じなかったとして室蘭市在住49歳の女性が道路交通法違反(速度超過)の疑いで逮捕」というニュースです。
この女性は、指定速度を28キロ超過する交通違反で検挙されたものの、反則金18,000円を納付せず簡易裁判所への出頭を求められていたにもかかわらず2年間に渡り出頭せず、「お金がなかった、逮捕されるとは思わなかった」と話しているそうです。
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1、速度超過違反の点数と反則金
道路交通法違反を犯してしまった場合、免許点数制度上6点未満の軽微な違反は青キップを切られて「反則金」を支払うことになります。
赤キップは「告知書」であり、6点以上の重い違反に対して切られるキップです。
青キップが行政処分であるのに対して、赤キップは切られた時点で刑事罰となり、支払い義務が生じる「罰金」となります。
この女性の場合は、違反点数3点。
18,000円の「反則金」ということになります。
一般道路 | 高速道路 | 一般道路 | 高速道路 | |
---|---|---|---|---|
超過速度(km/h) | 点数 | 反則金 | ||
1~14 | 1 | 9,000円 | ||
15~19 | 1 | 12,000円 | ||
20~24 | 2 | 15,000円 | ||
25~29 | 3 | 18,000円 | ||
30~34 | 6 | 3 | 6か月以下の懲役、又は10万円以下の罰金 | 25,000円 |
35~39 | 3 | 35,000円 | ||
40~49 | 6 | 6ヵ月以下の懲役、又は10万円以下の罰金 | ||
50~ | 12 |
2、反則金の支払いは義務なの?
青キップの場合、反則金の支払いは「義務」ではなく「任意」です。
反則金は自主的に支払うもので、法律上絶対に支払わなければならないというものではありませんし、反則金を支払わない場合、軽微な交通違反のケースは不起訴になる確率が高いと言われてます。
その理由は裁判所のキャパシティーにあり、軽微な違反までも「逮捕 ⇨ 送検 ⇨ 起訴 ⇨ 裁判」というステップを踏めば、裁判所の対応能力をオーバーしてしまうため、軽微な違反に対しては反則金を納める簡易処理で違反の抑止力としています。
赤キップの場合は、裁判において懲役刑か罰金刑のどちらかが確定され、罰金刑の場合は罰金の納付命令を受けます。
つまり罰金を払うか懲役を受けるかの二択です。
3、何故逮捕されたの?
「絶対に支払わなければならないわけではない!」と言いつつ、反則金は納付が常識となっているのは、青キップを切られた人のほとんどは違反の事実を認めているからですよね。
例えば、「自分は道路交通法を絶対に守っていた!」ということならば、「違反を認めず裁判所で審判を求める」ということになります。
その様な場合、青キップを切られた時点で違反を認めたことになるので、青キップを拒否して争う旨をその場で警官に伝え、検察を経由して「公判請求(裁判への起訴)」になるか?「略式命令請求」になるか?「不起訴」になるか?という流れになります。
略式命令請求とは、裁判手続きの略式起訴で運転者本人の同意が必要です。
この略式に同意した運転者は稀なケースを除き罰金刑確定となります。
検察の時点で不起訴になればいいのですが、裁判になれば時間と経費が必要ですし、裁判に負ければ罰金刑なので、青キップで争うのは相応の覚悟が必要なのではないでしょうか?
この女性が「反則金納付は任意」ということを知っていたのかどうかは分かりませんが、「違反の事実を認めていない」とか「支払うお金がない」のならば、出頭要請があった簡易裁判所へ出向き、その旨を伝え争うか反則金を支払って手続きを終えなければ、逮捕されることもあるということになります。
また、今回は18,000円の反則金と10回以上の呼び出しを無視のケースですが、5,000円の反則金と数回の呼び出しを無視で逮捕というケースもあります。
4、反則金を納めない場合の流れ
下表は、青キップを切られてからの流れですが、納付する意思がないにしても、無視していいわけではないということです。
無視していた女性は、逮捕されたからといって反則金を免除されるわけではなく、罰金を科され、更に前科まで付いてしまったことになります。
|
|||
---|---|---|---|
⇩ | |||
交通反則告知書と反則金仮納付書を交付 | |||
⇩ | ⇩ | ||
7日以内に反則金を納付 | 7日以内に反則金を納付しない | ||
⇩ | ⇩ | ||
手続き完了 | 通告センターに出頭し通告書・納付書の交付を受ける | ||
⇩ | ⇩ | ||
10日以内に反則金を納付 | 10日以内に反則金を納付しない | ||
⇩ | ⇩ | ||
手続き完了 | 刑事裁判(家庭裁判所の審判) |
5、反則金未納件数ってどのくらい?
下表は2018年の道路交通法違反件数ですが、未納付件数が「約9万件」です。
全体の中ではほんの1.5%ですが、9万件は多いですよね。
道路交通法違反件数 | 5,985,802件 |
---|---|
反則金納付率 | 98,5% |
未納付件数 | 89,787件 |
「お金がなかった」とか「払いたくなかった」とか「忘れていた」とか理由があるかもしれませんし、数年間も税金を納めなかった何処かの芸人さんのように「スーパールーズ」な人柄だったのかもしれませんが、全員が逮捕というわけではなく、度重なる出頭要請に無視を決め込むような悪質ケースは逮捕されているのが事実だと思います。
「逃げ得は許さない!」系の番組で逮捕される人を見る限りでは、罪の意識がないルーズなタイプが多い気がしますね。
高級車に乗ってるのに反則金は払わない?
6、まとめ
道路交通法上よろしくない運転をしているから捕まるわけで、捕まった理由に大筋でも納得したのなら、翌日にでも納付手続きを済ませて「嫌なことは忘れてしまう!」(その後の安全運転は忘れずに!)というのが、ベストな選択なのではないでしょうか?
私はそうします!
実際、警察官の態度が悪いのか?違反者の態度が悪いのか?ネットで話題になったニュースもありましたよね。
少し話は逸れますが、「兵庫県警の40代男性警部補が、元同僚30代女性の違反を注意のみに留めて見逃し、一緒に取締りをしていた部下が上司に報告し停職1ヵ月の懲戒処分。」というニュースがありました。
「キップを切ることは忍びないと思った」とのことですが、元同僚であり女性であったからであろうことは置いておいて、反省を促し今後は気を付けるように指導し今回は見逃してくれる人情派のお巡りさんが私は大好きです!(笑)
そんな人、近年は皆無かな?
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