草刈機のエンジン不調 キャブレターのダイヤフラム交換で復活

こんにちは、田舎のオッちゃん達に草刈機などの修理を頼まれて、何となく修理が出来ちゃう知識を身につけたアーチビブログの あーさん です。

素人の域は出てませんけどね!(苦笑)

今回の依頼は、「燃料タンクホースからの燃料漏れ」及び「エンジン不調」で、機種は「リョービ EK-23」です。

以前、刃押えボルトカバーがボロボロで刃が外れなくなり持ち込まれた草刈機で、「その後は調子良く使っていたけど、燃料が漏れ出してエンジンの調子が悪くなった」とのこと。

古い機械なので、「疑わしきはゴム類かな?」という感じです。

それでは拝見させていただきましょう。

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1.燃料タンクホース燃料漏れ

ホースの破れやパッキンの劣化は無く、漏れている箇所は透明グロメットの付け根部分のようです。

燃料フィルターも問題ないので部品を注文する必要はないと思います。

(1)ホース位置の調整

付け根部分を奥までシッカリと差し込み、ゴムパッキンとの接触部分が緩くなっているかもしれないので少しズラしました。

(2)ブリーザー清掃

燃料タンクキャップには、内圧を調整する「ブリーザー」が付いているタイプです。

これが詰まっていると、内圧が高まり過ぎてパッキンの隙間などから「ブシュッ!」っと燃料を押し出す(燃料が噴き出す)ことがあります。

分解して、フィルターを掃除し、エアーコンプレッサーのエアーガンで各穴の詰まりを取り、ゴム弁が硬化していないかを確認しました。こちらも交換するほどの劣化は見られないので、これで大丈夫だと思います。

エアーコンプレッサーをお持ちでない場合は、エアスプレー(ダストブロワー)が便利です。

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2.エンジン不調の原因を探る

タンクキャップのブリーザーが正常になると調子が戻る場合もありますが、今回は、エンジンは掛かるけれど、アイドリング回転が一定しなくてエンジンストップするという症状が出ております。

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(1)プラグを確認

先ずは、プラグをチェックしました。
燃料やオイルの濡れは無く、火花も安定しているようです。

プラグを抜いた後、プラグコードにプラグを取り付けてスイッチをON状態にし、エンジンなどの金属部分に接触させた状態でスターターロープを引けば、正常ならばスパークして火花が見えます。

画像では火花が見づらいですが、確実にスパークしておりました。

(2)ピストンを目視確認

軽い焼き付きの時も、エンジンは掛かるけど安定しないという症状があるので、一応チェックしました。

消音器を外して排気穴からピストンを覗きます。
排気通路にカーボンの付着はありますが、ピストンは美しいから問題なしです。

3.キャブレターの修理

燃料フィルターとホースは正常、タンクフリーザー正常、プラグスパーク正常、エンジン焼き付きなし、排気詰まりも無しとなると、残るはキャブレターです。

(1)キャブレターを外す

機種により違いはありますが、のスロットルを開けるとのワイヤー留め具位置が後退するのでワイヤーを外し、の固定ナットを緩めて、スロットルワイヤーを外します。

あとは、ネジ2本を外せば、キャブレターが取り出せます。

(2)ダイヤフラムを確認する

ダイヤフラムとはゴム製の膜のことで、キャブレター内の圧力変動によって伸縮することでポンプのように燃料を吸い上げます。これが経年劣化で柔らかさを失うと燃料供給が不安定になって調子が悪くなるんですよね。

メインダイヤフラム

プライマリーポンプ(ドーム型)の四隅のネジ4本を外し、メインダイヤフラム(別名メタリングダイヤフラム)の硬化具合を見ます。
柔らかさが失われて形が少し歪になっていて交換時期です。

メインダイヤフラムを剥がすと、こんな感じです。

ポンプダイヤフラム

メインダイヤフラムが貼り付いているパーツ(ボディポンプ)を外すと、ポンプダイヤフラムが現れます。
こちらも硬化していました。

メインダイヤフラムもポンプダイヤフラムも、柔らかい時は触るとペコペコッ!と動きますが、硬化するとベコベコ!という感じです。

分かりにくい表現かな?(苦笑)

ポンプダイヤフラムを剥がすと、こんな感じです。

(3)キャブレターの掃除

キャブレター内部に錆や穴詰まりなどは無いようなので洗浄の必要はありませんが、一応、スロットル側のパーツも外して、キャブレター本体と周辺パーツの各穴をエアーガンかエアスプレーで掃除します。

パーツクリーナーを各穴に吹き付けて洗浄という手もあります。

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汚れが酷い場合は、灯油に浸けての洗浄や、「花咲かG」などのマルチクリーナーでの浸け置き洗浄をします。

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(4)ダイヤフラムとガスケットを交換

洗浄が終われば、後は新品のダイヤフラムとガスケットを準備して組むだけです。
草刈機やチェーンソーはメーカーが違っていても、キャブレターの形状は同じということもあり、数種類のガスケットを持っていれば適合することもあります。

ダイヤフラムとガスケット準備

私の手持ちの物で、同じ形状、同じ穴配置の物を現物合わせで探すと、有りました
ラッキーです♪
 
 
Amazon Yahooショッピング、また ヤフオク などで探すのですが、形と穴の配置をジックリと照らし合わせるのがミソだと思います。

分解してみないと形状が分からないので、修理前に注文が出来ないのが難点ですね。
 
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ダイヤフラムを組む順序

では、順番に組んで行きます。

ポンプダイヤフラムのガスケット、ポンプダイヤフラム、ボディポンプ、メインダイヤフラムのガスケットの順に重ねて行きます。
 
 
続いて、メインダイヤフラム、ボディエアパージ、プライマリーポンプの順に重ねて、4本のネジを締めれば完了です。
 
画像の手前に見えるガスケットはシリンダー側との接点になるガスケットなので剥がさないようにしておけばそのまま使用できます。
 
 

キャブレターを本体へ取り付け

キャブレターを取り付ける前に、シリンダーとの間のスペーサーの取り付けが稀に緩んでいることがあるので、シッカリと締めておきます。
画像が汚くてすみません。掃除する前の画像です。

 
 

アイドリング調整

キャブレターを取り付け、スロットルワイヤーを装着して、キャブレター内のガソリンが空状態なのでプライマリーポンプでガソリンを呼び込み後にエンジンを始動します。

 
草刈機のキャブ調整ネジはアイドリング用しかない場合がほとんどですので、アイドリング調整ネジで適正な回転位置(刃が回転しなくなるところ)に調整します。
 
 

4.完了

あとは、エアクリーナーとカバーを装着し、各取り付けネジがシッカリと締まっているかを確認して終了です。

 
 
アイドリングが安定し、エンジンの吹け上がりも良好になりました
燃料漏れも止まっております
 
グッドですっ♪
 

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