ATのマニュアル操作 MTモード付きATは必要か?

こんにちは、アーチビブログの あーさん です。

月日が経つのは早いもので、1991年11月のAT限定免許創設から約30年も経つんですね。

歳を取るのも早いと思う今日この頃です。

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1.新車の99パーセントがAT車

今や乗用車の新車販売において99%AT(オートマチックトランスミッション)になったと言われていますが、これは軽自動車が含まない数値で、新車販売の70%MTミッションの軽トラックを含むとパーセンテージが落ちるからですかね。

それはさておきまして、イージー操作だから普及したATなのに、わざわざパドルシフトなどのMTモードを設けたモデルが存在し、「スポーツカー系ならいざ知らずハイトワゴン系なんかに要るのかね」なんて考え方がありますが、わざわざMTモード付きATを選んで購入しているアーチビ家でございます。

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2.ATの種類

一口にMTモード付きATと言っても、大きく分けると3種類の全く違うタイプが存在します。

歴史が長いトルクコンバーターを使用した「ステップAT」をベースにしたタイプ、小型車系の主流である無段階変速の「CVT」をベースにしたタイプ、マニュアルトランスミッションをベースにした「DCT」「AMT」です。

(1)ステップAT(トルクコンバーター式AT)

超簡単に言えば、流体の力学作用を利用した変速機がトルクコンバーター式AT(略称トルコン)です。

下の画像で簡単に説明します。

エンジン側の回転運動を車輪側の回転運動へと繋ぐ動力伝達を、ATF(オートマチックトランスミッションフルード)と呼ばれる粘度の高いオイルを介して行う仕組みで、流体を介して回転運動の伝達を行うクラッチの一種を流体継手(りゅうたいつぎて)と呼び、トルクコンバーターは流体の運動エネルギーを回生してトルクを増幅する機構を持った流体継手の発展型となります。

伝達された回転運動はプラネタリーギアで適切なギア比が選択され車輪を駆動させます。

流体で伝達するということは、どうしても伝達ロスが生じます。
この伝達ロスは「滑る」と表現されますが、例えばバスなどの重量が重い車両の場合、流体では十分にチカラを伝えることができません。
これは、大パワーエンジンの場合も同様で、そのような車両にATは適さない時代がありました。

そこで生まれたのが「ロックアップ」と呼ばれる機構です。

流体で伝達しているトルクコンバーターを、一定の回転数に達すると機械的にエンジン側とミッション側を結合させるという、電子制御が進歩したから発展した機構です。

トップギアのみをロックアップして燃費を向上させることから始まり、電子制御の進歩と共に全段ロックアップへと進化しました。

私が車に乗り始めた頃はマニュアルトランスミッションが主流で、ATはロックアップ機構を持たない3速ATが多く、2000ccクラスのATは、アクセルを踏んでから動力がタイヤに伝達されるまでのタイムラグが大きかったんです。

トルコンの滑りを十分に体感できるほど遅くて、更に燃費は1リッターで5km以下という正に伝達ロスだらけだったんですよね。

それが現在は、車種によっては10速ATまで進化し、MT車と同等に近いパワー伝達も可能になったことで、パドルシフトなどのMTモードでスポーティーさを演出させる装備として設定されるようになったと言えるのではないでしょうか。

私が所有する「BMW 320d Mスポーツ」は、8速ATパドルシフト付きで、トルク重視のディーゼルターボということもあり、変速ショックを感じさせずに低回転域で小気味よくシフトアップしていく感覚が妙に気持ち良いんです。

パドル操作では、8速もあると各ギアの減速比が近いこともあって、1速落とした程度ではエンブレがあまり効かず、数段落として1段ずつ上げるという感じです。

そういうマニュアル操作も楽しんでいます

(2)CVT

コンパクトカーや軽自動車のほとんどが採用しているのがCVTです。

CVTとは、エンジン側と車輪側のプーリーが開いたり閉じたりすることで、挟まれた金属ベルトの位置が変わり、その直径の変化によって走行状況に応じた回転域にコントロールする無段階変速機です。

例えば、低速時、エンジン側プーリーの直径は小さく、車輪側プーリーの直径は大きいので、エンジンが1回転しても車輪は1回転に至らないので低速。逆に、直径が大きいエンジンが1回転した場合、直径が小さな車輪は多く回転するので高速という変速方法です。

CVTは、金属(プーリー)と金属(ベルト)の密着なので、トルコンほどではないにしても「滑り」が発生します。なので、大パワー車に向かず、コンパクトカーや軽自動車に適しているんですね。(日産エクストロニックCVTなど一部車両を除きます。)

この無段階のプーリーに、疑似的に変速機構を持たせ、パドルシフトやシフトレバーでのマニュアル操作を設定する理由は

「ドライバーの自己満足のため」というのが一番ですかね

例えば、ホンダの軽自動車の場合、ターボモデルにはパドルシフトが採用されいますが、ダイハツの場合はスポーティーカーであるコペンくらいにしか採用されていません。

これは、ダイハツのお客様アンケートで「使わない装備」という回答が多かったからという説があり、確かに、ATのシフト操作を積極的に使う人は少ないと思います。

私は使うんですけどね!

ちなみに、上記CVTの解説は、私の「ターボって何?と聞かれて・・・」という記事で紹介した文章の流用でした。

わが家には新旧2台のN-BOXがあるのですが、私はシフト操作積極派なので、N-BOXを選んだ理由に「パドルシフト装備」は大きなファクターであります。

カスタムターボモデルにはパドルシフトが装備されています。

(3)DCT AMT

DCT

DCTとは、デュアル・クラッチ・トランスミッションの略称で、基本的な構造はマニュアルトランスミッションと似ていて、偶数ギア側と奇数ギア側のそれぞれにクラッチを有しているのが特徴です。

全て電子制御の油圧作動で、例えば、発進時には自動的に1速が選択され、1速で走行している間に2速側のクラッチは回転数を合わせる準備をしていて、1速側のクラッチが離れると同時に2速側のクラッチが繋がり、2速側のクラッチが離れると同時に3速側が繋がるという具合に、人間が行うマニュアル操作よりも早く確実なシフトチェンジが行われるシステムです。

クラッチが2つということで「デュアル クラッチ トランスミッション」ですが、BMWの場合は「ダブル クラッチ トランスミッション」と呼んでいて、どちらも略せば「DCT」なんですよね。(笑)

私のDCT経験は、知人の「BMW M2」を運転させて頂いたのが最初で最後ですが、BMWならではの拘りもあって非常に楽しめました

ただ、DCTにも欠点はあり、日本の道路事情のように渋滞が多くストップアンドゴーを繰り返す環境ではクラッチの減りが早いわけで、日本には進化が進んだステップATの方が適しているのかもしれません。

AMT

AMTは、オートメイテッド マニュアル トランスミッションの略称です。

MTの構造そのままで変速操作とクラッチ操作を自動化したトランスミッションです。

DCTも同じ分類に入るのですが、AMTはクラッチが1つなのでシングルクラッチ式ATとも呼ばれます。

DCTがデュアルクラッチにより俊敏な変速が可能なことは説明しましたが、こちらはシングルクラッチなので変速フィーリングが悪く、DCT以上に日本の交通環境には適さないということになります。

AMTにも、クラッチ操作は自動で変速操作は運転手が行う「セミAT」があります。

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3.まとめ

MTモード付きATは、通常自動のギアチェンジを、ステアリング裏にあるパドルシフトや、センターコンソールなどにあるシフトレバーを使い、ドライバーが意図的な操作で行えるシステムです。

ゲームセンターのカーレースゲーム感覚ですよね。

ステップATやCVTは「全自動変速が基本で、MTモードは余剰装備」と言えますが、DCT系は「積極的にMTモードを楽しむのが基本で、全自動ATの乗り方も可能」という感じでしょうか

峠のアップダウンワインディングロードを走行する機会が多い私の場合は、特に下りのシフトダウン操作からのシフトアップ操作は頻繁に行います。

無ければ無いで日常生活に支障はきたしませんが、有ると便利であり、稀に積極的なマニュアルモードで遊べる装置だから、車の購入時には、「同じ買うならMTモード付き」を選ぶアーチビのウンチクでした。

それではまたっ♪

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