こんにちは、アーチビブログの あーさん です。
バイクの「空冷エンジンと水冷エンジン どちらが好き?」の続きになりますが、その話で外せないのが、1970年代後半に誕生した2基の6気筒エンジンです。
空冷エンジンと水冷エンジンの両雄である「HONDA CBX1000」と「Kawasaki Z(KZ)1300」です。
前回は「CBX」について書いたので、今回は「Z1300」のお話しです。
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目次
<Kawasaki Z1300>
北米仕様の車名が「KZ1300」、欧州仕様の車名が「Z1300」です。
「KZ」はドイツ語で「カーツェット」と発音し強制収容所を意味する略語であるため、欧州での社名は「Z1300」になったということです。
北米仕様(21リットル)、欧州仕様(27リットル)とタンク容量が違い、個人的にはスマートな21リットルタンクがカッコ良いと思うのですが、1983年の5A型から27リットルタンクに統一されました。
航続距離が長いに越したことは無いですからね。
私が中学生の頃、近所の玩具屋にZ1300のプラモデルが売られていて、少年にとっては高額ということもあり買えなかったのですが、今でもプレミアム価格?で販売されているんですね。
プラモデルの箱を見ると、その頃の友達が「1300ccということは1回の爆発で1300ccのガソリンを使うってことかな?」という少年ならではの発想に爆笑したことを思い出します。
4ストだからピストン40往復でガス欠?(笑)
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(1)空冷4気筒から水冷6気筒へ
名車と呼ばれるバイクは多々あれど、過去から現在に至るまでトップクラスの名車と言えるのが「Kasasaki 900 Super4」型式名「Z1」ではないでしょうか?
Z1300の開発は、このZ1発売の翌年である1973年にスタートしているのですが、1978年の発表までに5年もの歳月を要しているんですね。
(⇧900 Super4 903cc 82ps/8500rpm 230kg)
Z1が生まれる前のカワサキのエンジンは、旧態依然とした「マッハ系の空冷2サイクルエンジン」と、メグロから受け継いだ「W系の空冷4サイクルOHVエンジン」だったんです。
そこから、Z1の空冷4気筒DOHC ⇨ Z1300の水冷6気筒DOHCへと、現代でも主流の機構へ一足飛びに飛躍した時代だったんですね。
(2)何故5年を要したか
その頃は高性能次世代エンジンを模索していた時代でもあり、ロータリーエンジンや水冷2サイクルスクエアフォー(2気筒を前後に配置する四角形配置4気筒)なども同時開発していましたが、当時の技術でアメリカの排気ガス規制をクリアするにはロータリーや2サイクルには厳しかったんですね。
オイルショックや排気ガス規制など、時代の流れによってZ1300の開発も変更を余儀なくされて行きます。
ハーレーダビッドソンへの忖度で、ハーレーの排気量を超えない1200ccの当初予定がハーレーの排気量拡大に合わせて1300ccに拡大したとか、ホンダCBXが1000ccで開発されていると分かり、引き離そうと拡大したなど諸説あります。
そのような経緯もあり、量産車初の6気筒バイクの称号は「ホンダCBX」に奪われました。
影の世界初6気筒車「ベネリ750Sai」については、CBXのページ⇩で説明しておりますので、よろしければ覗いてみてくださいね。
Z1の時も当初750ccで開発していたところ、ホンダが「CB750 four」を発表したのでそれを超える900ccへ変更し発売が遅れたわけで、カワサキらしいといえばカワサキらしいですね。
(3)CB750 four の2倍?
ホンダ CB750 four を見たホンダの創始者である本田宗一郎氏が「こんなデカいの誰が乗るんだ」と言ったのは有名な話ですよね。
Z1300のスケールは、大雑把に言えば CB750 four より2倍近い排気量と馬力であり、車両重量は60kgも重いです。
まさに、「こんなデカいの誰が乗るんだ?」というモンスターマシンですよね。(笑)
車名 | 排気量 | 最高出力 | 乾燥重量 |
---|---|---|---|
CB750 | 736cc | 67ps/8000rpm | 235kg |
Z1 | 903cc | 82ps/8500rpm | 230kg |
CBX | 1047cc | 105ps/9000rpm | 247kg |
Z1300 | 1286cc | 120ps/8000rpm | 296kg |
当時の120馬力というパワーは、あまりにも危険ということで、ドイツでは100馬力規制が施工され、ドイツ仕様とフランス仕様は99馬力に抑えられたそうです。
そのようなモンスターではありますが、ロングストロークエンジンとシャフトドライブから分かるようにZ1300が目指したのは大陸横断ツアラーです。
(4)Z1300の足回りを流用した角Z
「丸Zの Z1」と並び、絶版車として大人気の「角Zの Z1000 MkⅡ」があります。
MkⅡのシャフトドライブバージョンと言われる「Z1000ST」はZ1300の足回りを流用しているのですが、MkⅡと比較しどこか野暮ったく見えるのは、タイヤサイズがZ1300と同じフロント18インチ、リア17インチ(MkⅡはF19、R18)だからかな?っと思っている私です。
(実際は、フレームもST専用なのでMkⅡとは別物です。)
違ってたらごめんなさい。
(5)空冷エンジンと水冷エンジン どちらが好き?
さて、奇しくも1978年という同じ年に誕生した空冷と水冷の6気筒エンジン。
美しく配された6本のエキゾーストパイプは見る者を魅了しますが、パイプがラジエーターに隠れてしまう水冷エンジンは美しさが半減すると思うのは私だけでしょうか?
Z1300ファンの方ごめんなさい。
CBXは、タンク幅や車両幅を無視するがごとく、エンジンが強調されておりますが、Z1300はエンジン幅はあれど、シッカリとタンク幅と合わせてあります。
でも、CBXのエンジンは背面ジェネレーターで、クランク部の張り出しがありません。
どちらも次世代のフラッグシップを目指して試行錯誤の末に誕生した超弩級バイクであることは確かですね。
私は、カワサキ党ではありますが、この6気筒対決はCBXが好きかな?
実はMkⅡが一番好きなあーさんでした!
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