こんにちは、アーチビブログです。
以前紹介した軽自動車キャンピングカー『給電くん』のオーナー(Nさん)のご自宅へ伺うと、給電くんのナビやバッテリーの配線を引き出して何やらお困りのご様子でした。
聞けば、サブバッテリーを交換したら、サブバッテリーから電源を取っている家電製品が使えなくなり、何が悪いか探っているとのこと。
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目次
1.給電くんのバッテリー交換は重労働!
ちなみに、給電くん(スズキ エブリィ)のバッテリー搭載位置はカーゴスペースの下になります。
(1)カーゴスペースから見えるけれど
搭載位置を見るには、まずカーゴスペースの木製床板を外します。
内張りを剥がして金属製の蓋を取ります。
すると、車両に標準搭載されたメインバッテリーが左に、家電製品等に電気を供給するサブバッテリーが右に現れますが、それぞれが一部しか見えません。
サブバッテリーが大きくて、補強プレートもあるので上からは取り出せないんですね。
(2)交換は重労働
で、どうするの? と言いますと!
なんと! ジャッキアップ等で車両を上げて下側から取り出すんです!
しかも! 排気管が邪魔になるのでマフラーの釣りゴムを外し、排気管をズラシながらの作業になります
さらに! サブバッテリーの重量は 31kg もあるのでかなりの重労働+危険でもあります。
サブバッテリーの寸法は下表です。
FIAMM(フィアム)バッテリー 12SP100 | |||||
---|---|---|---|---|---|
電圧 | 容量 | 高さ | 幅 | 長さ | 重量 |
12V | 100Ah | 221mm | 172mm | 329mm | 31kg |
ちなみに、給電くんの発売元である「オートワン」は神奈川県です。
神奈川から遠く離れた田舎なので、バッテリーの交換作業を近くの整備工場に依頼したら、接続不良が生じたということになります。
(3)今後は軽量バッテリーに変換
ちなみに、「FIAMMバッテリー」の互換性で他メーカーを探すと「GSユアサ SLH100」等になると思うのですが、どちらにしてもデカくて重いです。
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今後はリチウムイオンバッテリーが主流になるので、次の交換時期は軽くなるとのこと。
例えば、下の「Ampere Time」の「12V 100Ah 仕様」は、大きさはほぼ同じですが、重量は11kg程度です。
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次回の交換は、Nさんが個人で出来るように方法を模索中だそうです。
2.電圧低下の原因究明
Nさんの給電くんには電圧計が装備されています。
下の画像はフル充電の正常値ですが、不具合時は『E』の辺りをプルプルと針が動く状態でした。
つまり、決して「ゼロ」ではなく少しだけ電力が発生している状況だから、断線というわけでもなかったんです。
で、どうしたか?
百戦錬磨の電装屋のオッチャンに託すことにしたんです。
オッチャンも軽キャンパーは初見なので「ワシには分からんかもしれんが、とりあえず車を置いてけ!」ということになりました。
翌日、修理完了の連絡がありました。
原因は、ボディーアースの接触不良とのことでした。
「アースポイントの選定ミスか?」「金属への接触が不十分だったか?」は分かりませんが、経験豊富なオッチャンは頼りになること間違いなし!という結果になりました。
そして、接続ミスに気付かなかった整備工場を決して悪く言わないオッチャンの「プロ意識」に感動させていただきました。
3.充電不良の原因は?
さてさて、もうひとつ原因を探る必要があります。
給電くんを所有して5年が経過しているのでバッテリーが弱っているというのもあるのですが、通常ならば走行すれば充電するはずの機能が働かなくなっていたそうです。
給電くんのサブバッテリーは家庭用100Vコンセントからも充電でき、そちらでの充電は可能なので2晩程度のキャンプは可能ですが、Nさんは長期の北海道旅行を計画していたので、走行充電ができないとなると長期旅行は無理で『給電くん』の意味がありません。
(⇧家庭用コンセントからの充電)
(1)充電の流れ
給電くんの優れた点は、エンジンOFF状態で電化製品の使用や一晩中の暖房がサブバッテリーで十分に賄えるところです。
通常の車は、エンジンの回転エネルギーを利用してオルタネーターで電気を作りバッテリーに充電しますが、給電くんの場合は、更にソーラー発電も装備されています。
走行発電とソーラー発電で作られた電力は、まずメインバッテリーを充電し、メインバッテリーが満充電になるとサブバッテリーに充電されるという仕組みです。
そのサブバッテリーの充電が使えないとなると、所有者としてはフラストレーションが溜まりますよね。
(2)充電不良の原因究明
走行発電とソーラー発電からの充電ができなかった原因はリレーの不具合でした。
リレーは、スイッチONにより電磁石が動き電流が流れる装置なので、これが故障すると電装品の切り替えやコントロールが不能になります。
要は、リレーが破損して充電への配線が機能しなくなっていたということですね。
4.メインバッテリーも交換
今回は、ついでにメインバッテリーを交換し、通常タイプからアイドリングストップ用バッテリーへの交換を勧められたそうです。
Nさんの給電くんはアイドリングストップ付き車ではないのですが、容量が大きいバッテリーに交換することで余裕が生まれます。
わが家のN-BOX(JF1型)も、アイドリングストップ車用バッテリーの規格を純正の「M-42R」から「M-65R」に交換したら格段に調子が上がりましたからね。
5.今までよりも絶好調
で、給電くんはどうなったか?
キャンプに行って、車載の電気ポットでお湯を沸かし、電子レンジで夕食を温め、冷蔵庫でビールを冷やし、車載TVでDVDを見ながら一晩中ヒーターを使用して、充電量が100%から80%に落ちたとします。
でも、100kmほど走行するとフル充電になるそうです。
2000Wパワーインバーター装備と言っても、一度に多くの電化製品を使用するとサーキットブレーカーが落ちてしまいますが、今回のバッテリー交換でパワーインバーターに見合う電力供給が可能となったのではないでしょうか。
6.まとめ
それにしてもNさん、素敵な生活をしておられますよね。
北海道旅行も無事に終わり、快適な旅を過ごされたとのことです。
私の所有車ではありませんが、今回の記事が、販売元へ持ち込めない地方住まいの給電くんオーナーさんの悩みに少しでも貢献できたら嬉しいです♪
それではまたっ♪
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