リターンライダー 乗らないっぱなしのバイク人生

近年、二輪車の購入者年代は50代が最も多く、以下60代、40代と続くのだそうですね。

「リターンライダーとは」と、検索してみると。

「40代50代を中心に静かなブームで、若い頃にバイクに乗り、その後、仕事や結婚などの理由で乗らなくなった(乗れなくなった)人が、40代50代となり、再び手にした自由な時間にもう一度バイクに乗り始めること。」と説明されてました。

この説明に当てはめると、私はリターンライダーなのですが、よく考えてみると、仕事の関係上、乗れない時が多く、1年以上乗らない事もあるから、そもそもリターンどころか、二輪の世界に居るのか居ないのか

むむむっ

同じリターン組でも、1980年代に本気で峠を攻めていた人達のリターンが本物だとしたら、私は間違いなく似非(えせ)リターンライダーということになります。

別に卑屈になってるわけではないんですけどね(笑)

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月刊オートバイ誌RIDEに宮崎敬一郎さんの「走りっぱなしバイク人生 寝かしてナンボ!」というコラムが連載されていて、毎月楽しく拝読していたのですが連載終了されました。

でっ!

そうだ、おいらも「走らないっぱなしのバイク人生 寝かさずゴメン!」ってコラムを書いてみようと思いつきました。

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1、バイクに目覚めた時代

漫画【キリン】からの引用ですが、登場人物のお爺さんライダーの印象的な言葉。

「絶対的な速さじゃなくて もっと相対的なものよ」
「その乗ってる奴が楽しいか楽しくないかが問題なのだな」

「操る楽しみももちろんあるが、自転車と決定的に違うところ」
「そう エンジンがついてるってことよ」

「つまり 人間以上の・・・誰でもがスーパーマンになれることだ」
「たとえそれが30ccのバイクでもだ」

大人になってからこの漫画を読んだ時、私のバイクへの憧れの原点を思い出させてくれた言葉です。その原点のバイクのお話から始まります。

(1)HONDA R&P

自転車で走り回る事が大好きだった中学2年生の時、近所のオジサンに「ちょっと乗ってみるか」と誘われたバイクが「ホンダR&P」

「左手のクラッチを握ってゆっくり離してみな」という言葉だけ聞いて、言われた通りに実行し、エンストせずに発進したはイイけども止まり方も何も教わっていないのでパニクって直進方向の石壁に激突(笑)

アクセルを開けていないトロトロ走行なので大事には至りませんでしたが、正に前出のお爺さんの言葉です。

自転車とは決定的に違う高揚感!ペダルを踏むことなく動く機械への興奮と感動!

正にスーパーマンになった気分でした!(笑)

少年誌のバイク漫画は大好きで読んでいたのですが、少年にとっては現実味のない世界。
自分とオートバイが身近な存在に感じた第一歩がこの「R&P」です。

この後、操作を一通り教えて頂き、更に興奮が増したのは言うまでもありません。

それからというもの、お兄さんがいる友達の家に出かけては、お兄さんのバイク雑誌を読みあさる日々で、「高校生になったら原付免許を取得してバイクに乗るんだぁ」と息巻く当時の普通の少年でした。

(2)SUZUKI マメタン OR50

私は姉との姉弟でしたので、お兄さんがいる友達のバイク知識は勉強になることばかりです。

「高校生になったら何に乗る」って話題はいつもするわけですが、知識に勝る友人がカッコイイバイクを先に指名するんですね。

別に同じバイクでもいいんですが、何故か皆が違うバイクにしようとするのが子供心ですかね(笑)

この時点では、現実に乗れるであろう原付バイクにしか興味がないわけで、私が乗りたいと言っていたバイクはスズキの「マメタン OR50」でした。

可愛いですねぇ(笑)

当時流行り始めた「アメリカンタイプ」のデザインに少し走りを意識させるテールカウルを取り入れたデザインは、今でも通用するスタイルだと思います。

(3)その頃読んでいたバイク漫画

この頃に読んでいたバイク漫画で先ず頭に浮かぶのは「750ライダー」。

高校生が「ナナハン」に乗って登校する夢のような物語です。
主人公の早川光が乗っていたのが「HONDA CB750」

「HONDA CB750」と言えば
バイクとガン(拳銃)がリアルな「ワイルド7」の飛葉大陸の愛機でもあります。

それと、「熱風の虎」も記憶にありますねぇ。

ドゥカティ900SS、BMW R100RS、モトグッチ850ルマン、バンビーンOCR1000、などの車名を憶えたのはこの漫画だったと思います。

2、三ない運動の時代

高校生になったら、「750ライダーの光君」のようにバイクで学校へ通えるものだと普通に思っていた私です。

もちろん、光君とは違って現実的には原付での登校を夢見ていたのですが、いざ進学してみると、時代は「三ない運動」真っ盛りでした。

<三ない運動とは>
高校生に「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」というスローガンを掲げた社会運動で、バイクブームに伴って増加した交通事故減少のため。また、全国各地で増えた暴走族による危険走行や騒音抑止のため。
要は、高校生を非行に走らせないための運動で「バイクは危険な乗り物、暴走族の乗り物」といった、オートバイに対する否定的なイメージが社会に広まった悪しき運動でした

学校によって、「免許取得をしたら停学あるいは退学」「取得しても乗らなければオッケイ」「公共交通機関が少なく通学に必要な場合は原付までオッケイ」など、三ない運動のルールはまちまちで、私の学校は「即退学!」 
ガーンッ

バイク雑誌を見ては妄想する日々の高校生活でした。

(1)YAMAHA パッソル & パッソーラ

そんな中、悪友がバイクに乗れる話を持ってくるんですね。それは、「サーキットで安全に」というような健全なお話ではなく、

「ヤマハのパッソルパッソーラのイグニッションは自転車のロック用のカギで回せる

という情報・・・。


パッソル)


パッソーラ)

全く、どこからこういうネタを仕入れてくるのか

たぶん、不健全な兄貴情報だと思いますが・・・

でっ!

その車両が置いてあり、尚且つ目立たず持ち出せそうな物件を見つけてくるんですねぇ

でっ!

夜中にコソコソとご拝借を・・・。

コソコソ

本当に自転車のカギでエンジン始動が出来たのは驚きですが、ただカギ穴に差しているだけなので乗ってるうちに振動で落ちるんですね

そのカギがないと帰れない訳で、夜通しカギ探しなんて事もありました。

馬鹿なガキ共であります!

苦しい言い訳になりますが、暴走族の予備軍ではありません。

本当に真面目な少年なのですが、バイクだけは不良系といいますか・・・。
なので、「盗む」とか、そういうのではないんです。

乗りたくて乗りたくて仕方ないから、「少しお借りしてもよろしいでしょうか
という感じで、乗った後は、利子もつけずに元の場所へお返しする貧乏少年達でした。

今思うと、大人も子供も無頓着と言いますか・・・。

良き時代だったと思います。

良き時代でもNGです!

(2)YAMAHA GR50

バイク大好きではあるけれど、実質は勉学に部活に一生懸命な健全高校生でしたので、無免許運転はまだしも(重大な悪事です)、窃盗のような行いは大いに心が痛む訳で、夜の拝借生活は早々に止めました。

そんな時、悪友が次の悪だくみを実行したんですよ。

それは、「免許を取ると学校にバレるけど、バイクを持つ事はバレない」という屁理屈的発想で、先輩のお下がりを購入したのが「ヤマハGR50」です。

小さくてかわいいカフェレーサーです。
少年にとっては十分過ぎる魔法のアイテムとして、乗れることが凄く嬉しかったですねぇ

休日の午前中の部活が終わると、悪友の家へ飛んで行って乗るわけです。
夜中にコソコソとしなくても昼間から乗れるんです

当時、原付のヘルメット着用義務は無かったのですが、顔出しはNGなので、しっかりフルフェイスで乗っていました。

時には、全く気付かずに直後をパトカーが走っていた事もありますが、止められなかった運も持っていました。(笑)

しかし、そんな強運のGR50は、廃車になってしまいます。

誰も来ないであろう山道(車一台が通れる道幅)で悪友達と交代で乗りまくっていて、私の順番になり、気持ちは正に「熱風の虎」でコーナーを攻めていた時

対向車が現れ、急ブレーキフルロックで、横滑りしながらクルマの下側に突っ込む感じの正面衝突です。

衝突直後は仰向けでクルマのバンパーを下から見上げる状態でしたが、これもフルフェイスを被っていたお陰で頭部は守られました。

ドライバーさんの「大丈夫かぁ~?」の震えた声を聞きながら、「大丈夫です」と、痛む身体でバイクを引きずり出して、押しながらその場を離れ(逃げ)ました。

ドライバーさんは茫然としたまま、走り去る少年達を見ている状況ですが、こちらは無免許がバレるわけにはいかないので必死です!

経験を重ねた今の私がドライバーの立場だったら、相手の医療費や車の修理費用のため、是非とも現場検証をして頂き保険を使いたいところですが、Uターンが出来ない道で逃げる若者達を追う事は難しいと思います。

人身事故での過失割合は四輪の方が大きいので、警察沙汰になればドライバー側も免停の可能性があり、パニックなのは少年達だけではなかったとも思いますが、何日も気になられていたであろうことは想像できます。

ご迷惑をお掛けし申し訳なかったと思います。

何にせよ、逃げる奴には理由があるという事ですよね。

私はというと、不幸中の幸いと申しましょうか骨折等の大怪我はなく、酷い打ち身と擦り傷だらけで1週間以上身体が動かなかったのですが、家族に打ち明けるわけにもいかず、自転車で転んだの一点張りで乗り切りました。

バイク所有者の悪友には申し訳なかったのですが、「衝突の瞬間、マジ死んだと思ったけど、無事でよかったぁ~!」と、私の身体の方を気遣ってくれた気持ちに感謝しております。

(3)HONDA MT50

GRが廃車となり、悪だくみは危険である事を学び、健全な生活に戻っていたある日。
友人が「バイクを預かってくれ」と持ち込んで来ました。

彼のバイクは、通学に必要と認められて所有している健全なバイク「ホンダMT50」です。

「しばらく乗らないから、おまえ好きだろ乗っていいよ」と「天使(悪魔)のささやき」に聞こえました。

身長が180cmだから大きいのにしたと言う通り、50ccとは思えない堂々とした車格で、大型バイクに乗ってる気分にさせてくれるバイクでした。

で、家族が寝静まってから、夜中にコソコソと乗りに行く生活に逆戻りです。(笑)

流石に自宅に預かっていれば親にもバレる訳ですが、「人の迷惑にはならないようにしろ」と言うだけで、寛大な親父でした。

親父も少年の頃、年が離れた兄貴のバイクに無免で乗ってたと言ってましたので、気持ちを理解していてくれたのだと思います。

(4)Kawasaki Z400FX & HONDA HAWKⅢ

免許も無くバイクも持っていないバイク好き少年はバイク雑誌を読み漁り、知識だけは豊富になって行きます。

悪友とのバイク談義は、卒業したら中免(中型免許=現普通自動二輪免許)を取って、400ccに乗ろうぜと盛り上がります。

その頃にものすごく憧れたのは「カワサキ Z400FX」です。

このスタイルとカラーリングを見ると今でも心がトキメキます。
私がカワサキ党なのはこのバイクの影響大です。

でっ!

なんと、三ない運動のご時世に、学校は違いますが、「FX」「ホンダ CB400N ホークⅢ」に乗って学ランで通学している同級生がいたんですよ。

一般車をパスしながら2台で走っている姿はメチャメチャかっこ良くて、憧れと嫉妬で気が変になりそうでしたねぇ

羨ましかったなぁ(笑)

(5)その頃読んでいたバイク漫画

高校時代のバイク漫画って意外になくて、バイク雑誌がメインだったのですが、主人公の愛車が「Z400FX」の「ケンタウロスの伝説」は何度も何度も読み返してました。

カワサキZ2ファンならおなじみの「あいつとララバイ」もこの時期に始まりましたねぇ♪

3、免許取得

高校最後の三学期になると四輪の免許取得が許され自動車学校へ通えるので、私は迷わず中型自動二輪(現普通自動二輪免許)も申し込みました。

(1)HONDA CB400T HAWKⅡ

その時の教習車が「ホンダ ホークⅡ」でした。

免許取得が出来る喜びと、教習所内での走行とはいえ400ccに乗れる喜びが二重にあるわけで通うのが楽しくて、教習中や卒業検定時の情景は今でも脳裏に焼き付いております。

中でも、卒検の時、私の前に受けた男子が一本橋で脱輪転倒バイクから投げ出された場景は、検定直前でイメージ作りを最悪にされた事もあって鮮明に記憶しております。(笑)

(2)SUZUKI GT380

無事に高校を卒業し、4月から一人暮らしを始める私ですが、それまでの期間、友人から借りていたバイクが「スズキ GT380」です。

18才になると四輪に乗り換える友達が多くて簡単に貸して貰えるんですよね(笑)

空冷2ストローク3気筒。4本出しマフラーというユニークなレイアウトで堂々とした車格。エンジン系統で言えば、カワサキマッハシリーズがライバルになりそうですが、このスタイルは、ホンダCBシリーズに対抗心むき出しですよね。

私が借りていた車両はエンジンの掛かりが悪く、いつも押し掛けしていたので、四輪も含めて、押し掛けのクラッチミートを教えてくれた車両でもあります。

さて、免許取得後、初めての公道デビューです。
最高速60km/hまでの教習所とは違います。

アクセルひと捻りで瞬時に三桁の速度に達するオートバイの凄さを知り、「サンパチでこれってことは、ナナハンなんてどうなるの」「速度警告灯の赤ランプって意味ないじゃん」と感動したものですが、これ38馬力なんですよね。当時は超大パワーに感じてました(笑)

初心者だから当然ではありますが、今思えば、2ストのパンチ力ってのは4ストにはない魅力が多々あります。

(3)HONDA GORILLA

田舎から飛び出し、一人暮らしを始め、普段の足として選んだのが「ホンダ ゴリラ」です。
メッキタンクと茶色シートの「ゴリラ・リミテッド」でした。

中型免許で50ccと思うかもしれませんが、フトコロ事情というやつです。

4速ミッションで最高速度は6070km/h程度。

スピード感とは無縁の走らないバイクですが、初めての愛機です
嬉しくて毎日毎日乗りました

原付乗りの友人もできて、公道での乗り方を沢山教えて頂きました。
都会の渋滞道路を縫うように進める原付は機動力抜群でした。

1年後に四輪を購入するので、実質この1年間だけが本物のライダーだったかもしれません。
(苦笑)

(4)HONDA LEAD50

その頃、同じアパートの友人が所有していたのが「ホンダ リード50」で、4ストのゴリラの2倍のパワーで2ストだから走りが良く、たまに借りておりました。

このリード、ゴリラと比べるとメチャメチャ速くて、面白いから飛ばすんですよ。

でも、スクーターってバンク角が浅いんですよね。カーブで寝かせ過ぎて転倒してしまい、原付はノーヘルオッケイの時代だったので、私は左側頭部を路面に擦り付けて、左側だけ坊主になった事があります

この時のトラウマで、今でも私はコーナーで深いバンクが出来ません!(笑)

寝かさずゴメンの原点です! 

(5)HONDA VT250F

バイクは卒業して四輪へ乗り換える友達が増える中、突然バイクに目覚めた友人が、「俺は四輪には乗らない」と宣言して購入したのが「ホンダ VT250F」でした。

セミカウル。
L型エンジン。
赤いフレームに赤いシート。
ブーメランコムスター。

全てが前衛的デザインで、このバイクには新時代を感じましたねぇ

軽くて乗りやすいし、スタイルも走りもイイ。
歴代のVTシリーズの中で、私はこの初期モデルが一番好きです。

(6)HONDA CB750F

「Z400FX」を所有する友達もいて、高校時代に憧れた車両に乗る事ができました。

実際には「ゴリラ」しか所有していないのですが、「中免持ってて良かったぁ」という日々を送っていた頃、その「FXの友達」のお兄様が、限定解除免許(現大型自動二輪)を取得し、「CB750F」を購入されました。

当時の私にはメチャメチャ大きなバイクに見えて、「こんなにデカいのによく乗れるなぁ」と、「CB750 Four」誕生時に「こんなデカいの誰が乗るんだ」と言った本田宗一郎と同じ事を思いました。

先日、馴染みのバイク屋に立ち寄った時、この「750F」が展示してあり、逆に小さく感じてしまったのですが、長年様々なバイクに触れていると感覚が鈍っちゃってますね。

(7)その頃読んでいたバイク漫画

「湘南爆走族」大好きでした(笑)

江口の「GS400」石川の「ホークⅡ」丸川の「KH400」桜井の「GT380」
中免小僧の憧れにリンクするバイクと面白いストーリーは最高ですね。

江口洋介、織田裕二デビュー作の映画も観に行きましたよぉ~♪

そして、限定解除への憧れとリンクする「バリバリ伝説」もこの頃ですよね

郡の「CB750F」秀吉の「GSX750Sカタナ」はうちの車庫にフィギュアを飾ってます。

1980年代って、オートバイが一番売れた時代です。
バリバリ伝説は、間違いなく影響を与えた漫画だと思います。

「湘爆」と「バリ伝」は何度読んでも面白いです。

漫画とは違いますが、映画「汚れた英雄」もこの頃です。

プライベートライダーがチャンピオンを掛けて命を削るさまは、バリ伝のストーリーにもリンクします。

私、この映画が大好きで、レコードもビデオもDVDも持っています

余談になりますが、主人公の北野晶夫が乗っていたBMWアルピナは、「六本木カローラ」と呼ばれた当時のBMW最小の3シリーズでした。

若かった私は、「ジゴロなんだから、もっとデカい高級なクルマにすればカッコいいのに」と思っていましたが、今の考えは違います。

レーサー北野晶夫が選ぶとしたら、小さなボディに最高のエンジンを搭載した「羊の皮を被った狼的モデル」であり、それは「過激なM3」ではなく「優雅なアルピナ」である。
という考えに至っております。

余談にリキが入ってしまいました

4、子育てとバイク生活

ミニバイク人生は暫く続きます。

人生を軽く端折りますが。
20代前半で結婚した私は「ゴリラ」を手放し田舎に帰って参ります。

田舎での若者は重宝がられまして、消防団に入団しバイクをいただいたお話から。

(1)YAMAHA ミニトレール GT80

1020名前後を抱える小さな消防団が数十団体あり、いざ火事となると、各消防団が一斉に集まって消火活動をするのですが、それを取りまとめる本部は役場にあり、有事の際は「伝令」と呼ばれる団員が本部へ向かい指示を仰ぐんです。

私の団の屯所(消防ポンプ等の保管庫)は一方通行道路(二輪は除く)に面していて、本部は反対方面でしたので迂回に時間が掛かり、「伝令用のバイクが欲しいなぁ」と発言したところ、無料で譲って頂ける話が舞い込みました。

その車両が「ヤマハ ミニトレ GT80」です。

古い車両ですが、手入れが行き届いた綺麗な車両でした。

「CB350four」など複数台所有されていて、「自分は乗る時がないから、乗らないより乗って貰った方が嬉しいし、消防に使うのならただであげる」という神対応です

田舎って素敵っ♪ 

勿論、都会にも神様はおられますよね・・・。

ミニでも80ccなので二人乗りが可能ですし、大いに活躍してくれました。
2スト特有の「ベンベケベンベケ音」は、かなりうるさかったですけどね

<ミニトレ、その後のお話>

約20年勤めての退団後は、消防団へ貸与状態にしていましたが、ある日、若い団員に欲しいと頼まれ、「ただで頂いたモノだから、ただで譲るけど、乗らなくなった時には、同じように譲って行ってくれたら嬉しいな」と、頂いた時の経緯を伝えて譲渡しました。

が、しかしっ!

なんと、彼は早々に売り払って引っ越したらしいんです

田舎にもワルがいた!

名義が変わってしまえば文句も言えないので仕方ないのですが、グーバイクで調べると結構なお値段がついておりますので複雑な気持ちです。

(2)HONDA MONKEY Z50J

ミニトレと同時期にボロボロ状態の「ホンダ モンキー」がやって来ました。
ミニトレを頂く話の前に、直したら使えないかなと、友人が持ってきた車両です。

タイヤは破れ、エンジンもタンクも錆だらけ

レストアに興味があった私は、走行可能状態まで修理してナンバーを取得しました。

「ゴリラ」とエンジンは同じですが、3速ロータリーチェンジでゴリラより走らない(笑)

でも、田舎道をトコトコ走る分には不満はなく、エンジン音がうるさい「ミニトレ」よりも多く乗ってました。

写真は、長男が1才半の時のミニトレ、3才の時のモンキー、4才の時の遊園地サイドカーです

あの頃は、可愛いかったなぁ~(笑)

(3)SUZUKI GSX250T

モンキーの再生を見た友人が、もう一台レストアしないと持ち込んできたのが、これも錆だらけの「スズキ GSX250T」でした。

バイクとしてスタンダードな形トラディッショナルの「T」ですね。

これはモンキーと違ってエンジンが生きてたから、新車時の輝きを取り戻す方向のレストアで、錆びた部分を磨きまくってピカピカにして乗ってました。

真鍮ブラシを使った錆取りやバフ研磨のスキルを上げてくれた車両です。

小さかった息子をタンクの上に乗せて走っていて落としそうになった事がありますが、これも田舎ならではののどかな光景かも

「モンキー」と「GSX」は頂いたわけではないので、復活したモンキーは元の持ち主が売却し私への報酬は五千円でした。

モンキーは修理のパーツ代だけでも10倍以上の費用が掛かってますが、復活までの行程を楽しませて頂いたので良しですね

GSXは、持ち主が放置していたバイクですが、ピカピカになった姿を見て取り返されました
(苦笑)

(4)その頃読んでいたバイク漫画

バイク乗りのバイブル「キリン」の連載が始まりました。

第一部の主人公で、老いて行く自身との葛藤と戦う中年ライダー「キリン」の年齢は38才。
キリンの連載開始時には納得できた主人公の年齢設定は、現在の私の年齢から見れば相当若いです(笑)

でも、この漫画の描写は、疾走ってきた者にしか分からないノンフィクション感満載なので、作者の東本昌平先生の人生そのものだと勝手に思っております。

東本漫画は、ほぼ全作を所有してます。

年齢的には三十路前になっておりましたが、「特攻(ぶっこみ)の拓」は、高校時代の憧れを思い出して好きな漫画です。

暴走族への憧れではなくて、高校生で中型や大型に乗れる憧れです(笑)

「クローズ」に登場する「武装戦線」もカッコ良いですよね。

もちろん、暴走族ではなく、バイクへの憧れです。

そんなこんなで、バイクは身近にあるけれど、オートバイ乗りの人生を歩んでいるかと言えば、歩んでいないような気がする暮らしとともに子育て時代は過ぎて行きます。


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5、子育てを終えたバイク生活

子供が大学生になり、親として何だか気が抜けた気持ちで過ごしていたある日、クルマで信号待ちをしていて、先頭の私の前に両脇をすり抜けて2台のバイクが止まりました。

フルカウルバイクで男女のペア。

多分ですが、男性の方は カワサキZZR 系。
女性の方は ホンダCBR だったと思います。

年齢層は分かりませんが、カッコ良くて、年甲斐もなく感動し、それを切っ掛けに無性にデカいバイクに乗りたくなりました。

デカいと言っても、運転出来る上限の400cc以下なのですが、それまでの私は250ccで満足していたので、400ccでも十分な気持ちでした。

旧車の小型系ばかり乗っていたので、近年のバイク知識もなくバイク屋巡りから始めました。

(1)SUZUKI Bandit 400 Limited & YAMAHA Drag Star 400

知識がない流れで、話は少し逸れますが。

「GSX 250T」に乗ってた頃、あるパーキングで「スズキ バンディッド 400 Limited」を見て「ロケットカウルとの相性が抜群じゃん今時のバイクってこんなにお洒落になったんだ。」と感じた時も心が揺れましたが購入には至らず。

「ヤマハ ドラッグスター400」を初めて見た時も「ヤマハのバイクは昔から繊細なイメージだったけどエンジンの造形からスタイルまでこんなに洗練されたんだ」と心が揺れました。

購入に至らないのは、世の中のリターンライダーの大半と同意見の、子育て中なので金銭的にも自由時間的にも「無理」と思う心のリミッターが作動していたのが事実です。

話は戻って。
バイク屋巡りをしていたある日、過去にバイクに乗っていた友人から連絡があり「職場の原付にすら乗ったことがない先輩が大型二輪免許を取得してハーレーを買ったなんだか悔しいから、俺達も大型二輪を取らないか」という内容でした。

返事は勿論

オッケィ!! です(笑)

バイク屋巡りをしていて、上限400ccで探すと車種選択の幅が意外に少ない事に気付き、大型に乗りたいというよりも、車種選択の幅を増やす目的で自動車学校入校を決めました。

(2)大型自動二輪 自動車学校

① 年寄りだからと躊躇している方へ

四十路のおっちゃんが自動車学校へ通う事って、「学校内で浮く」と思っている方、「恥ずかしい」と感じて躊躇している方がおられたら、その方に伝えます。

凄く楽しいです!(笑)

殆どの教習生がこれから社会へ旅立つ現実を知らない学生な訳で、公道が如何に危険かを理解している教習生は御手本になれる事があるんですね。

若者の場合は、運転技術が上手くても、公道で危険な運転をしそうな人格であれば簡単に単位取得とはいかない場合もありますが、オジサンの場合、教官と同年代か教官の方が若い訳で、世間話も共感し合えますし、余程の下手くそでない限りは普通に単位取得が可能です。

教習中の服装についても、若者は、学校で貸し出される軍手や長靴が多いですが、私と友人はヘルメットは勿論のこと、ライディングジャケット、ブーツ、グローブ持参で臨んだので、それだけでも安全意識にが付くのだと思います。

二輪が好きな連中が集まってるんだから、老若男女、高校中退男子や女子大生を問わずに和気あいあいと過ごし、卒業検定は私がトップバッターで、終了後は全員とハイタッチの流れで、とにかく楽しかったです

② 運転適性診断について

ちなみに、運転適性診断ってありますよね。
図形判断、スピード斜線引き、三桁の引き算問題の10問程度です。

総合判定で、以下の3段階に分かれます。

「運転には人一倍の注意が必要です。自分の欠点をよく自覚し、助言を守り、全力を尽くし、慎重に運転をしてください。」

「運転することには支障ありません。更に安全運手に努めてください。」

「運転に適しています。更に安全運転に努めてください。」

これ、一緒に受けた友人は凄いスピードで書いて行く音が聞こえるのに対して、私はジックリ見て書き込む書き方でした。

結果は、私が「」で、友人は「」でした。

実は、二人とも18才の時の結果と同じなんですよ。

友人は「なぜだぁ~!?」と不満顔です。

運転が上手いのは友人の方です。でも、ちょくちょく交通違反をするのが友人で、長い間ゴールド免許が私です。

運転上手だけでは適正は低く、運転中の周囲への気配りや、怪しい雰囲気の察知能力が悲惨な事故防止に繋がる訳で、運転適正ってそういう事なんだと思います。(笑)

警察の世話になる事よりも、事故防止に努めた安全運転をしたいものです。

(3)HONDA CB750

初めて運転する「ナナハン」は、教習車仕様の「ホンダ CB750」でした。
大きすぎず小さすぎず、気負う事もなく乗れるグッドバイクでした。

教習車仕様って、何だか凄く乗り易いと思うのは錯覚なのかなと思っていたのですが、アップタイプハンドル、ローダウンシート、クラッチをワイヤーから油圧式へ、ステップを若干前よりへ移設、リアディスクキャリパー強化、低速走行主体のため電動ファン装備大型オイルクーラー装着など、流石っホンダッと言いますか、教習生のために至れり尽くせりに造ってあるんですね。

(4)Kawasaki ZEPHYR 1100

そんなこんなで、教習所は楽しく卒業し、大型免許を持てば大型に乗りたくなるのが人の常という訳で、「ゼファー1100」購入となります。

ゼファーの購入動機、売却動機、絶版高価価格については、別ページで伝えてますので、よろしければ下の画像をクリックするとジャンプします。

(5)その頃、読んでいたバイク漫画

私のバイク熱にリンクするかのように、東本昌平先生の「RIDE」が発刊され、かなり感化されました。創刊号から現在に至るまで、全て購入し、勿論、単行本も購入し保管しております。

大型自動二輪免許取得から早10年。気付けば直ぐに年取ってますねぇ(汗)

6、この10年間ものらないっぱなしのバイク人生

ほとんど乗らない中で、乗ってきた車種の紹介をします。

(1)SUZUKI GSX 250 FX

ゼファー購入から1年後くらいに人生初のギックリ腰になり、重量級のゼファーを操っての腰痛再発が不安な時、リハビリ&練習用の250ccを買う決意を固めました。

バンディッドのロケットカウル仕様が好きだった事もあり、「バンディッド 250 Limited」を探したのですが、現物を見に行くと程度の良い物がなく、ピカピカの「GSX 250 FX」を見た時に「同じ程度ならバリオスより安いし、綺麗だからこれにしよう」と決定しました。

速くて軽くて扱いやすく、私の腕だと、急カーブが連続する狭い山道の下りなら、ゼファーより確実にコイツの方が速く走れました

もっと上手くなる為の練習用の意味合いもあったのですが、綺麗な車体すぎて、転倒は避けたいから無理もできず、4年程で手放しました。

なので、私の一方的な提案ですが、練習用のバイクを購入される場合は、惜しげのない車体を選ぶべきだと思います。

それにしても、この年代の各社の4気筒エンジン搭載車は、好きな人にはタマラナイ魅力があると思います。

(2)Harley-Davidson FXDWG Wide glide

東日本大震災から二か月後の4月某日。

新車でハーレーワイドグライドを購入した F 県在住の友人から電話があり、「買ったはいいけど、実はまだ大型自動二輪免許が取れてない。悪いけど、こっちに取りに来て、いくら乗ってもいいから保管と管理を頼めないかな」との事。

こちらから約350km先の F 県です。

何故?そんなに離れた私に頼むのか? 

掻い摘んで説明します。

買ったはいいが免許がない・・・。
   
自宅の駐車スペースは屋外で雨ざらし・・・。
   
購入費で貧乏になったからガレージも借りれない・・・。
   
洗車は嫌い・・・。
   
新車が乗らないまま錆びていく・・・。
   
そうだっ!アーさんに頼もうっ♪

という事です。

彼は、こちらが地元で頻繁に帰って来るから、保管場所としては最適だと私も思うんですが、取りに行くのは大変ですよね。

考え方を変えて、ハーレーで350kmの旅を楽しもう 

ってな訳で、職業ドライバーの友人を誘い、当時の私のクルマ(B4)の運転は彼に任せて、
ハーレーを持ち帰り保管すること半年。

たまには乗りましたが、私にはハーレーは向かない!と勉強させてくれた車両です。

何故向かないのかは下の画像をクリックしたページで説明しております。

(3)Harley-Davidson XL1200X Forty-Eight

免許が無いのに注文してしまうというのは、ハーレーの魔力と言いましょうか、確か、アメトークのバイク芸人で、チュートリアルの徳井さんもそうだった気がします

憧れだけで購入してしまった場合の失敗例になりますが、ワイドグライドの友人は無事に免許を取得し晴れてハーレーオーナーになったのですが、直ぐに乗り換えてしまいます。

私より脚が短い彼は、ワイドグライドのフォワードコントロール(前方に足を投げ出した位置にシフトペダルやブレーキペダルがある)を乗りこなせなかったんですね。

そして、次に彼が選んだのが「フォーティーエイト」です。

これは乗り易かったです

このバイクは私も楽しませて頂きました

私も身体が硬くて足が短いので大柄なハーレーには不向きなのですが「フォーティーエイト」「ローライダー」は、日本人向きだと思います。

タンク容量が少ないフォーティーエイトの場合は、どちらかと言えば街乗り向きですね。

オーナーの彼もそう思ったのか1年も乗らずに乗り換えてしまいます。

(4)HONDA CB1100

ハーレーから「ホンダCB1100」へ乗り換えた彼は、仕事が多忙になり、また私に半年預けます。

信頼して預けてくれる事。色々なバイクに乗れる事。どちらもとっても嬉しいのですが、自分のバイクですら「乗らないっぱなし」が多いのに、贅沢な環境です。(笑)

ゼファーとCB。空冷4気筒1100cc。奇しくも同じタイプのバイク2台が揃った訳ですが、同じタイプは要らない訳でございます。(笑)

CB1100は、評論家も認める優等生バイクであり、私もそう思います。

真っ直ぐ突き進もうと思えばそう走り、コーナーをヒラヒラと駆け抜けようと思えばそう走るんです。

でも、不思議なことに「乗ってる楽しさと面白さというのはゼファーの方が好み」というのが私の意見で、たまに疾走りたいって時は、必ずゼファーに乗っていました。

車重はCBの方が軽いと思うのですが、ハンドル形状の違いでか、押し引きする時は、ゼファーの方が軽く感じました。

余談ですが、このハーレーの友人のお金の使い方について、

新車のワイドグライドの購入費が約200万円で5年間のフルローンを組んだそうです。

次のフォーティーエイトも新車で、ワイドグライドが下取りだから、諸費用を少し支払った程度だそうです。

その次のCB1100は中古車でかなり安かったと言ってましたが、彼は、その安い中古車に乗りながら最初のハーレーのローンを返済していた訳で、少々馬鹿らしくないかと思うのは私だけでしょうか

(5)YAMAHA TRICITY 125

偶然試乗して衝動買いしてしまったバイクが「トリシティ125」です。

GSX250FXを下取りに出しての購入ですが、原付2種はファミリーバイク特約でクルマの保険に組み込むことが出来てとっても経済的です。

フロント部が大きく、リアにトップケースを付けているので、車庫内ではニンジャよりデカい顔で居座っております(笑)

友人に貸してニンジャと2台で走っても、原付と走ってる感がなくて気に入っております。

私は所有するまで知らなかったのですが、原付2種って、フロントフェンダーの前部に白いラインと、リアフェンダーにマークが貼ってあるんですね。

このクラスは50ccとボディを共用している車種が多いから、警察の取締り時の確認のためでしょうかでも、白いボディだと分からないですよね

本当はフェンダーの先の白を無くしたいけど道路交通法で定められているのならダメですね。
トリシティが50ccと間違われる事はないでしょうけどね。

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(6)Kawasaki Ninja 1000

最後の紹介になります「カワサキ ニンジャ1000」です。

ニンジャのページで紹介してるので、多くの説明は省きますが、全く不満のないバイクです。

ずっとネイキッド系のバイクでしたので、高速では向かい風と戦っておりましたが、年を取って高速の長時間運転は主に向かい風が原因で疲れるんですよね。

ニンジャに代えてからは、高速での風防効果が非常に有難いです。

最近は、パワーを「フルパワー」トラクションを「2」で乗ってますが、年寄りの下手な運転をカバーしてくれて運転が上手くなった気がします(笑)

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(7)近年読んでるバイク漫画

東本昌平先生の「CAROLAWAY」「CB感 REBORN」は近年に読みました。

CAROLAWAYは「ノーヘルでナナハン」が許されたヤンチャな時代の物語。

CB感は逆にSF漫画です。
物語は置いておいて、CBナナハンのエンジンでカフェレーサーを作成するとこんなにカッコいいという漫画ですね。

最近は、Mr.バイクBGに連載中の「雨はこれから」。

主人公と年齢的にリンクする東本バイク漫画。

最高です(笑)

この記事の冒頭で、漫画【キリン】から引用した爺さんライダーの「絶対的な速さではなく、楽しいか楽しくないかが問題」という言葉を紹介しておりますが、そのお爺さんは言葉の締めくくりで寂しそうにこう言ってます。

「バイクは 楽しめるか 楽しめないかなのだが」

「ある年齢から楽しめなくなる・・・・・・」

「それには 速いか 遅いかがあると思う・・」

私も、「あと何年乗れるのだろう・・・」という年齢になっておりますので、乗れる限りは、疾走れる限りは、出来るだけ安全運転で、乗り続ける努力をしようと思っております。

ほとんど乗らないっぱなしなんですけどねっ!(笑)

それではまたっ♪

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