バイクのユーザー車検に向けて24ヵ月定期点検をやってみた 定期点検整備記録簿の書き方

こんにちは、アーチビブログの あーさん です。

Ninja1000(2018年モデル)の「ユーザー車検を受けてみるか。」という気持ちが芽生え、今回のブログは「Kawasaki メンテナンスノート」に沿って、点検整備記録簿を素人に出来る範囲の作成手順で紹介します。

長い説明になるので、参考にできるところがあれば参考にして頂ければ幸いです。

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目次

<定期点検整備記録簿について>

下の定期点検整備記録簿(黄色)は、カワサキのメンテナンスノートから抜粋したものです。

これの各項目にチェックを入れて検査場に持ち込めばオッケイとなります。
今回はこの記録簿に沿って点検し、検査場へはネットでダウンロードできる点検記録簿(後で説明します)を持参します。

ちなみに、ユーザー車検では「前車検・後整備」が許されています。

つまり、整備は後回しでとりあえず車検を通す事ができるんです。しかも、後で点検整備記録簿を提出する必要もありません。

ですが、整備をしない車両での走行は非常に危険であり点検整備は法で定められているわけで、後整備なんて言わないで、車検の時に提出するべきだと思います。

<定期点検 解説>

冒頭でも述べましたが、長い説明です。
参考にできるところがあれば参考にして頂ければと思います。

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1.ステアリング装置(かじ取り装置)

(1)ハンドル

操作具合

フロントホイールを浮かして、手でハンドルを左右に動かし、左右の動きがスムーズであるかを点検します。

ハンドルに対して前輪の曲がり(ひねり)がないかを目視等で点検します。

走行して、ハンドルが異常に振れたり、取られないか、また、操作が異常に重くないかを点検します。

フロントホイールを浮かすスタンドなどは持っていませんので、ガタつきや走行での振動などが無いかをチェックしてOK!としました。

(2)フロントフォーク

損傷

フロントフォークに損傷および曲がり等がないかを目視により点検します。

フロントフォークを上下に作動させて、異音、オイル漏れ等がないかを点検します。

ステアリングステムの取り付け状態

ステアリングステムの締め付けボルトおよびナットに緩みがないかをスパナ等で点検します。

ステアリングステムの軸受部のガタ

ホイールを浮かした状態で、手でフロントフォークの下部を前後に動かし、軸受部にガタがないかを点検し、または、フロントブレーキを作動させた状態で、ハンドルを前後上下に動かし、軸受部にガタがないかを点検します。

必要がある場合は、ステアリングステムを取り外し、摩耗、亀裂、曲がり等がないかを目視等により点検します。

これもね、ホイールを浮かせないから、前後上下に動かしてガタをチェックし、あとは目視点検でOK!としました。

2.ブレーキ装置(制動装置)

(1)ブレーキペダルおよびブレーキレバー

遊び

ブレーキペダルを手で抵抗を感じるまで押し、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケール等により点検します。

ブレーキレバーを手で抵抗を感じるまで引き、遊び量が規定の範囲にあるかをスケール等により点検します。

Ninjaの場合は油圧式なのでブレーキレバーの引き具合(後輪はペダルの踏み応え)により、エアが混入していないかを点検しました。

ブレーキの効き具合

乾燥した路面を走行して、フロントブレーキおよびリヤブレーキを別々に作動させ、効き具合が十分であるかを点検します。ブレーキテスタがあれば制動力が規定値以上であるかを点検します。

テスタは持っていないので走行テストで点検しました。

(2)ロッドおよびケーブル類

緩み、ガタおよび損傷

ブレーキを作動させ、ロッドおよびケーブル類に損傷、曲がり等がないか、取り付け部および連結部に緩み、ガタおよび損傷がないかをスパナ等で点検します。

ブレーキを作動させた時、異常に重くないかを点検します。また、割ピン類に欠損がないかを目視等により点検します。

取り付け部周辺のボルトやナットは緩みを点検しました。

(3)ホースおよびパイプ

漏れ、損傷および取り付け状態

ブレーキを作動させ、ホース、パイプおよび接続部からブレーキ液の漏れがないかを点検します。

ホース、パイプおよび接続部に劣化、損傷等がないかを点検します。

結合部およびクランプに緩みがないか、ハンドルを左右に切った時または走行中の振動によりホースおよびパイプが他の機構部分に干渉しないかを点検します。

全て目視で点検しました。

(4)マスタシリンダ、ホイールシリンダおよびディスクキャリパ

機能、摩耗および損傷

ブレーキを作動させ、マスタシリンダおよびディスクキャリパの作動具合を外部からパッドの動きにより点検します。

マスタシリンダ(シリンダブーツ内を含む)およびディスクキャリパに損傷がないかを目視等により点検します。

マスタシリンダおよびディスクキャリパアッセンブリを分解した時は、ピストンカップ、ピストンシール、ブーツ等に摩耗、損傷、腐食、劣化等がないかを目視により点検します。

分解はしないで、作動状況と目視で OK!としました。

液漏れ

マスタシリンダ、ディスクキャリパおよびその周辺から液漏れがないかを目視等により点検します。

(5)ブレーキドラムおよびブレーキシュー

この項目(3ヵ所)はドラムブレーキ用なので、ディスクブレーキ車の場合は、チェック欄を空白にするか斜線を引いておきます。

(6)ブレーキディスクおよびパッド

ディスクとパッドとのすき間

ブレーキを数回作動させパッドを安定させた後、ホイールを浮かして手で回し、ブレーキの引きずりがないかを点検します。

パッドの摩耗

キャリパボディーの点検孔からウェアインジケータ(摩耗限度ライン)によりパッドの厚みを点検します。また必要に応じてスケール等により点検します。

ディスクの摩耗および損傷

ディスクに摩耗および損傷がないかを目視等により点検します。

走行距離が少ないのでパッドの摩耗も少ないわけで、ディスク周辺の摩耗と損傷がないことを目視確認して OK!としました。

3.走行装置

(1)ホイール

タイヤの状態

タイヤゲージを用いて、空気圧が規定値にあるかを点検します。

タイヤの全周にわたり亀裂や損傷がないか、釘、石およびその他の異物が刺さったり、かみ込んだりしていないか、または偏摩耗等の異状な摩耗がないかを目視等により点検します。

タイヤの接地面に設けられているウェアインジケータ(スリップサイン)の表示ににより点検するか、またはタイヤの接地面の全周にわたり、溝の深さが規定値以上あるかをディプスゲージ等により点検します。

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ホイールボルトおよびホイールナットの緩み

アクスルシャフトとアクスルホルダの締め付けボルトおよびボルトに緩みがないか並びにホイールナットおよびホイールボルトに緩みがないかをスパナ等により点検します。
また、割ピン類に欠損がないかをの目視等により点検します。

Ninjaの場合は、フロントフォークシャフト周辺のボルト等、リヤのチェーンアジャスタクランプのボルト等の緩みチェックをやりました。

フロントホイールベアリングのガタ

フロントフォークを動かないようにして、タイヤの両端に手をかけて動かし、ホイールベアリングにガタがないかを点検します。

ホイールを浮かせられる場合は、ホイールを手で回した時、スムーズに回転し異音がないかを点検します。

リヤホイールベアリングのガタ

タイヤの両端に手をかけて、ホイールベアリングにガタがないかを点検します。

ホイールを浮かせられる場合は、ホイールを手で回した時、スムーズに回転し異音がないかを点検します。

フロント・リヤ共に揺すってガタつきを点検しました。

スポークのゆるみ

キャストホイールの場合は、チェック欄を空白か斜線にします。

4.緩衝装置

(1)サスペンションアーム(スイングアーム)

連結部のガタおよびアームの損傷

スイングアーム、リンク等の連結部にガタがないかを手で揺する等して目視等により点検します。

スイングアームに損傷等がないかを目視により点検します。また、スイングアームの取り付けボルトに緩みがないかをスパナ等で点検します。

(2)ショックアブソーバー

オイル漏れおよび損傷

フロントフォークおよびリヤショックアブソーバにオイル漏れおよび損傷がないかを目視等により点検します。

5.動力伝達装置

(1)クラッチ

クラッチレバーの遊び

クラッチレバーを手で抵抗を感じるまで引き、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケール等により点検します。

作用

アイドリング状態で、クラッチレバーを一杯に引いた時に異音がないか、異常に重くないかを点検します。

クラッチレバーを徐々に離して発進した時、滑りがなく、かつ、接続がスムーズであるかを点検します。

クラッチ液の量

リザーバキャップ上面が水平となる状態にして、リザーバタンクの液量がロアレベル以上の範囲にあるかを点検します。

(2)トランスミッション

オイル漏れおよび量

トランスミッション周辺からオイル漏れがないかを目視等により点検します。

車両を水平な状態にして、エンジンを停止させ、数分後にオイルの量が規定の範囲にあるかを点検します。

(3)プロペラシャフトおよびドライブシャフト

継手部のガタ

チェーン駆動のNinjaの場合は、チェック欄を空白か斜線にします。

(4)チェーンおよびスプロケット

チェーンの緩み

リヤホイールを浮かせて、ホイールを低速で回しながらチェーンに緩みがないかを点検します。また、チェーンのサビつき、給油脂状態を目視等により点検します。

スプロケット間のチェーンの中央部を上下に動かし、チェーンのたわみが規定の範囲にあるかをスケール等により点検します。

Ninjaの場合は、20~30mmが適正値です。

スプロケットの取り付け状態および摩耗

スプロケットの取り付けナットおよびボルトに緩みがないかをスパナ等で点検します。

スプロケットに摩耗および損傷がないかを目視等により点検します。

(5)ドライブベルト

ドライブベルトについても、チェーン駆動のNinjaの場合は関係ないのでチェック欄は空白か斜線にします。


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6.電気装置

(1)点火装置

スパークプラグの状態

スパークプラグ(白金プラグおよびイリジウムプラグを除く)を取り外し、次の点検を行います。

電極に汚れや損傷および摩耗がないか、並びに絶縁がいしに損傷がないかを目視等により点検します。

中心電極と接地電極のすき間(プラグキャップ)が規定の範囲内にあるかをプラグキャップゲージ等で点検します。

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点火時期

エンジン暖機後、既定のアイドリング回転数で、タイミングライト等を用いて、点火時期が適切であるかを既定の合わせマークを見て点検します。

 
フルカウルモデルの4気筒車のプラグを外すのは大変ですし、点火時期の調整はプロの仕事でもあります。なので、軽いクランキングで普通に始動できるのならば、プラグや点火時期に不具合はないと判断致しました。

自己判断でお願いします!

(2)バッテリ

ターミナル部の接続状態

ターミナル部に、緩みおよび腐食がないかを目視等により点検します。

 

(3)電気配線

接続部の緩みおよび損傷

電気配線の接続部に緩みがないかを手で動かす等して点検します。

 
ハンドルを動かした時にフレームとフロントフォークとの間にかみ込みがないかを目視等により点検します。
 
電気配線に損傷がないかおよびクランプに緩みがないかを目視等により点検します。
 
 

7.原動機

(1)エンジン本体

低速および加速の状態

エンジンを暖機させた状態で、アイドリング時の回転がスムーズに続くかを点検します。また、回転計を用いて点検する場合は、アイドリング時の回転数が規定の範囲にあるかを点検します。

 
エンジンを徐々に加速した時、スロットルグリップに引っ掛かりがないか、かつ、エンスト、ノッキング等を起こすことなくスムーズに回転するかを走行する等して点検します。
 

排気の状態

エンジンを十分に暖機させた状態で、回転計を用いてアイドリング回転数が規定の範囲にあるかを点検します。

 
排気ガスの色が白煙および黒煙でないかを目視等により点検します。
 
アイドリング時の CO(一酸化炭素)および HC(炭化水素)の排出濃度を CO・HCテスタで点検します。
 
CO・HCテスタなど持っているのは素人ではありませんよね!
私の場合は純正マフラーなので計測の必要はないですが、マフラー交換をされていて心配な方は純正に戻す等、バイク屋などで点検しておくべきかもしれませんね。
 

エアクリーナエレメントの状態

エレメントを取り外し、汚れ、つまり、損傷等がないかを目視等により点検します。

 

(2)潤滑装置

エンジンオイル漏れ(油漏れ)

シリンダ、クランクケース、オイルパイプ、オイルホース等からオイル漏れがないかを目視等により点検します。

 

(3)燃料装置

燃料漏れ

燃料タンク、燃料コック、燃料ホース、燃料パイプおよびキャブレター等から燃料漏れがないかを目視等により点検します。

 
燃料ホースおよびパイプに損傷および劣化がないかを目視等により点検します。
 

リンク機構の状態

リンク機構がスムーズに動くかをスロットルグリップの操作により点検します。

 

スロットルバルブおよびチョークバルブの作動

スロットルバルブおよびおよびチョークバルブがスムーズに動くかをスロットルグリップ、チョークレバー等を操作して点検します。

 
 

(4)冷却装置

漏れ

アイドリング状態またはラジエータキャップテスタで加圧した状態で、ラジエータ、ウォータポンプ、ラジエータホース等から水漏れがないかを目視等により点検します。

 
ラジエータホースに損傷および劣化がないか、かつ、ホースのクランプ類に緩みがないかを目視等により点検します。
 
アイドリング状態で液漏れがないかのチェックで OK!としました。
 
 

8.有毒なガス等の発散防止装置

(1)ブローバイガス還元装置

配管の損傷

ホース、パイプ等の配管に劣化および損傷がないかを目視等により点検します。

 
クランプの取り付け状態に異状がないかを目視等により点検します。
 
 

(2)燃料蒸発ガス排出抑止装置

配管等の損傷

ホース、パイプ等の配管に劣化および損傷がないかを目視等により点検します。

 
クランプの取り付け状態に異状がないかを目視等により点検します。
 

チャコールキャニスタの詰まりおよび損傷

チャコールキャニスタのホースを外し、エアを送り詰まりがないかを点検します。

チャコールキャニスタ本体に損傷がないかを目視等により点検します。
 
パージコントロールバルブが正常に作動していることを確認します。
 

チェックバルブの機能

チェックバルブの通気状態を確認します。

 
 

(3)一酸化炭素等発散防止装置

二次空気供給装置の機能

二次空気供給装置用フィルタの詰りおよび損傷を点検します。また、アイドリング状態で、二次空気供給装置のエアホースをエアクリーナー側で外し、ホースからの空気の吸い込みを点検します。

 

配管の損傷および取り付け状態

ホースおよびパイプに損傷、外れ等がないかを目視等により点検します。

 
有毒なガス等の発散防止装置の点検については、配管の取り付けや損傷を触ったり目視したりのチェックで OK!としました。
 
 

9.エキゾーストパイプおよびマフラー

取り付けの緩みおよび損傷

エキゾーストパイプとマフラーの接続部および取り付け部に緩みがないかをスパナ等で点検します。

 
損傷、排気ガスの漏れおよび他の部分との接触のおそれがないかを目視等により点検します。
 

マフラーの機能

エンジンの回転数を変化させて、排気音に異状がないかを聴くこと等により点検します。

 
 

10.フレーム

フレームの緩みおよび損傷

フレーム等のボルトおよびナットに緩みがないかをスパナ等で点検します。また、フレーム等に損傷等がないかを目視等により点検します。

 

11.その他

シャシ各部の給油状態

シャシ各部の給油脂状態が十分であるかを目視等により確認します。

 
 
ここまでの作業を終えれば検査項目の全てにチェックが入ります
 
 

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<点検整備記録簿の書き方>

ネット上でダウンロードできる点検記録簿を使用しました。
 
チェック欄は、「タイヤの空気圧」と「チェーンの緩み」の2ヵ所だけ「A」を記入して、他は全てをしております。(「A」は調整をしたという記号になります。)
 
CO・HC 濃度は分からないから無記入。
タイヤ溝の深さは簡易的な測定値を記入。
ブレーキパッドの厚さは計っていないから無記入。
オイルは交換したので交換部品等の欄に「エンジンオイル」と記入しました。
 
右上に「登録番号」か「車両番号」を記入。
下段に点検または整備を実施した者の「氏名と住所」を記入。
「点検時の総走行距離」と「点検年月日」「整備完了年月日」を記入して完成です。
 
次回は、バイクのユーザー車検の鬼門と言われる「ヘッドライトの光軸調整」について考えてみたいと思います。
 
 
 
 
追記になりますが、ユーザー車検を受け無事に合格致しました。
やってみれば意外に簡単で、業者へ依頼するよりも確実に数万円は安く済みますので、やる価値は十二分にあると思います。
 
ユーザー車検現場での詳細説明ページを作成しましたので、興味がありましたら、是非覗いてみてくださいませ。
 
 
 
車検前はエンジンオイルチェックも大事です。
 
オイル交換作業についてはこちらで詳細説明をしております。
 
 
 
検査官さんはチェーンの張りもチェックされます。
その際にチェーンが錆びついていたり、汚れていれるのはよろしくないです。
というわけで、チェーンメンテナンス作業についてはこちらです。
 

車検用点検整備は素人には無理な点検もありますが、できる項目も多かったりします。

走行距離が少ない高年式車両ならば、ユーザー車検も通しやすいかと思います。

 それではまたっ♪

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